かぎ針編みで実在の隣人をコピーしてしまう、アーティストの技がスゴイ!
かぎ針編みで作ったアート作品は少なくない。だが、たいていは服や小物、オブジェ、タペストリーなどだ。
そんな中で、フィンランドの編み物アーティスト・Liisa Hietanenさんの作品は極めてユニーク。なんと彼女は、実在する人をそっくり写した等身大の人物像を作ってしまうのだ。
美術学校で初作品を制作
Hietanenさんは10歳からかぎ針編みを始め、美術学校に入学してからも編み物でオブジェ作品を作っていた。
ある時、1人の先生を模写した等身大の像を作ったところ、その出来栄えがあまりに見事だったのでシリーズ化しようと彼女は考えたそうだ。
彼女がモチーフとして選んだのは、自分が住んでいる町、Hämeenkyröの住人たち。
実際にその相手と会って、ポーズをとってもらい、様々な方向から写真を撮って制作の参考にする。もちろんメジャーで各部のサイズも計るという。
さらに感心するのは、モデルとなる相手の動作の癖まで覚え込んでから制作にあたるということだ。彼女は作品の中に、人物の個性まで織り込もうとしている。
人物を生き写しに
主に写真を見ながら制作を進めるHietanenさんだが、顔と手を編む段階では再び相手と会うという。表情や手の動作に現れる個性を、より正確に捉えるためだ。
Hietanenさんの最新作は犬を連れた隣人女性の像だが、それを見ると、モデルとなった本人の生き写しと言ってもいいほど似ているのに驚かされる。
ちなみに、編み物の作品が自立しているのは、中に金属ワイヤーの骨と詰め物が入っているからだ。Hietanenさんが編むのは表面だけ。それでも一体仕上げるのに数カ月かかる。
個性と親しみやすさを表現
Hietanenさんは、それぞれの人物が持っている独自の個性と共に、あらゆる人が共通に備えている「親しみやすさのエッセンス」を表現したいと言っている。彼女のウェブサイトにはこう書かれている。
私は、自分を取り巻く世界の今の瞬間を描写しようとしています。また、それと同時に、私たち人間が共通に感じられる何かを表現したいとも思っています。
見事に人物をかぎ針編みで表現してしまう、Hietanenさんの作品。ニットでドッペルゲンガーを作り出したとも言えるかもしれない。(了)
出典元:designboom:crochet artist creates life-size replicas of local woman and her dog(2/7)
出典元:Odditycentral:Finnish Artist Creates Life-Like Crocheted Versions of People in Her Village(2/11)