シンガポールの漫画家が描いた作品が話題に、ゲイとして生きる難しさとは?
Doodlemancerというペンネームで、ネット上に作品を発表しているシンガポールのアーティストがいる。
普段は、ゲイである自分を笑い飛ばすような軽いタッチのコミックを描いているが、今月は、世界各地で開催中のゲイプライド・パレードを記念して、自分の心の内をさらけ出すような連作を発表した。
ほのかなユーモアを含みながらも、ゲイとして生きることの困難さをリアルに表現した作品には、誰の心にも訴えかけてくるものがある。
ゲイであることを言えない孤独
(ハイ、みんな。僕はDoodlemancer、で、僕はゲイ)
(僕はいつもこのことを漫画にしようと思っていたけど、いつも時間がなかった。「あー、きっと来週だな」)
(でも本当は、自分のセクシャリティについて話すのが恐かったから)
(ただゲイだっていう理由だけで、仕事をクビになったり、家から追い出されたりするのを、今だって僕は恐れている)
Doodlemancerさんは、何年もの間、自分のセクシャリティについて話すことを恐れていたという。そのせいで世の中から「隔絶されたように感じていた」と、海外メディアで語っている。
だが、先月、アジアでは初めて、台湾で同性婚が認められた。このことが彼の態度を変えさせた。
(しかし、台湾で同性婚が合法化されたことを最近のニュースで知って、怖がっている自分に、自分自身がうんざりしていることに気がついたんだ)
(だから、この漫画を描くことにした)
(子供の頃の僕は、男性の体にとても興味があった)
(10代の頃は、学校で他の男たちをよく盗み見ていた。そして、そのことを恥ずかしく感じた)
(敬虔なカトリックの家に育ったが、それは何の助けにもならなかった。「ホモセクシャルは罪です」)
(罪の意識と自己嫌悪という重荷を、何年もの間背負い続けてきた。「僕はどこかおかしいのか?」)
(心の葛藤がなくなったのは、教会と縁を切ってからだった。「ゲイであることの何が悪い?」)
(厳格なクリスチャンである家族は、いまだにLGBTのコミュニティを非難する。「吐き気がする」)
(いつか、家族が本当の僕を受け入れられるようになる日が来るのを、ただ望むしかない)
(LGBTの権利は、世界の多くの地域で、だんだんと認められてきている)
(残念なことに、僕の国シンガポールは、そこに含まれていない)
(政府は、公式にはこう言う。「ホモセクシャルは犯罪とされるべきものではないが……男女間の礼節を覆すような法律改正はすべきでない」)
(本音はこうだ。「ゲイたちのことは別に気にしないが、そっちはそっちで勝手にやってくれ」)
(そうする間にも、たくさんのシンガポール人の基本的な権利——平等と愛する権利が拒否されている)
(それでも、平等を求める戦いは続く)
(了)
出典元:boredpanda:I Share My Personal Experiences As A Gay Man In My Pride Month Comic(6/25)