会議にヤギ？新型コロナで閉鎖中の牧場、オンライン会議に動物を“貸し出す”サービスを開始

Twitter / Ben Smith

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界各国では不要不急の外出の制限と共にリモートワークの動きが進む。

それに伴い、オンラインで業務を効率的に行うためのサービスの需要が高まりつつある。

そのような中、米国の牧場がオンラインでの会議に動物を“貸す”という、なんとも斬新なサービスを開始し、話題となっている。

オンライン会議に動物たちが登場！バーチャルツアーも

オンラインでの会議に動物を貸すという斬新なサービスを開始させたのは、米国カリフォルニア州にある牧場「Sweet Farm」だ。

同牧場が始めたサービスはその名も“Goat 2 Meeting”というもの。

これにおいては牧場で飼育されているヤギや羊、豚、牛、七面鳥、ラマといった動物達がオンライン上で登場するサービスが各種用意されている。

中でも話題となっているのが“10 minute Corporate Meeting Cameo”という名前のコースだ。

これは100ドル（約1万700円）の費用でオンライン会議の最中に、10分間動物を画面に登場させることが出来る。

オンライン会議の際に最も一般的なツールといえば「Zoom」であるが、Sweet Farmのホームページによると、それ以外のアプリ等であっても予約の際にリンク先を送信することが出来れば問題ないという。

この他にもGoat 2 Meetingにおいては65ドル（約6900円）で最大6人が20分間にわたり牧場のバーチャルツアーを体験できるコースや、“25 Min VIP Meeting Tour”と題され、750ドル（約8万円）で25分間にわたって“牧場内の特別な景観”を楽しめるコースなどが容易されている。

創設者はIT企業出身、損失を補うためサービス開始

しかし一体どのようにして、牧場からこのような斬新なサービスが生まれることとなったのだろうか。

Sweet Farmの共同創設者であるAnna Sweetさんは、実はIT企業の集積地として名高いシリコンバレーのテクノロジー系企業に勤務している。

その傍らで非営利団体として動物の救助と保護を目的に設立したSweet Farmでは、“人々と、食糧がもたらされる場所とをつなぐ”ことを目指しているという。

Sweet Farmでは野菜の栽培をも行っている（© 2020 Sweet Farm）

一方、これまでSweet Farmの資金の一部は牧場を訪れる顧客から賄われていた。

ところが新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う外出制限措置により、現状ではこちらの方は期待出来ない。

Goat 2 Meetingは、その損失を補うために編み出されたという。

反響はいかほど？

それではその反響とはいかほどのものなのだろうか。

Sweetさんによると3月半ばからGoat 2 Meetingを開始させて以来、既に300件以上もの依頼が届いており、その中には大企業からスタートアップまで様々な企業が含まれているという。

ある弁護士事務所のパーティーの際には、弁護士らが自らの子供たちも参加させ、皆でバーチャルツアーを楽しんだとのことだ。

Sweet Farmのもう一人の共同創設者Nate Salpeterさんは、これらの反響について「時に人は牛が草を食んでいる姿をただ見たいんです」という。

またSweet Farmでは学校や非営利団体向けに無料でのバーチャルツアーも行っており、こちらには米国のみならず英国やブラジルの学校が参加しており、ノースカロライナ州のホームレス施設からも依頼が届いているという。

「私たちは今起きていることに対し、多少のストレスを感じているように思います。我々の多くが屋内に座っています」というSweetさん。

「我々は彼らを牧場の外に連れ出すと同時に、人々に笑顔を届けたいだけなんです」

#Getoffyourgrass and bring us to your next company meeting, happy hour, or coffee break with #Goat2Meeting and you enable us to offer free virtual visits for public school classes. @LastWeekTonight pic.twitter.com/KHn6mnF64G

— Sweet Farm (@TheSweetFarm) April 10, 2020