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20年の戦争に終止符が打たれるか?エチオピア政府が和平合意を受け入れる

20年の戦争に終止符が打たれるか?エチオピア政府が和平合意を受け入れる
Facebook/Abiy Ahmed

アフリカで長い間戦争状態にあった国が、ついに和平への道に踏み出したと海外メディアなどが伝えている。

 

20年前に勃発、8万人が死亡する

 

その国とは、東アフリカに位置するエチオピア。

 

エチオピアと隣国のエリトリアは国境などを巡る対立により、20年前に戦争状態に突入。お互いに都市を空爆して、Badmeの街では合計で8万人以上(全犠牲者は10万人という調査も)の死者を出したと言われている。

 

そして2000年には一旦、両国は和平合意文書に調印したが、エチオピアはそれ以降も、オランダのハーグにある国境委員会が定めた国境から撤退するのを拒否してきたという。

 

それ以来、紛争が勃発し、散発的に交戦が行われてきたそうだ。

 

「戦争から何のメリットも得ていない」

 

しかし6月5日、エチオピア政府は2000年の和平合意を受け入れると発表。連立政権の与党である「エチオピア人民革命民主戦線」も、「和平合意を完全に受け入れ、履行する」と声明を出し、問題のBadmeの街を譲ることになると語ったという。

 

また新しくエチオピアの首相に選ばれたAbiy Ahmed氏も「戦争を終わらせること、そしてエリトリアとの経済的な結び付きを拡大させることが、この地域の安定と発展のために重要だ」と発言。その上で次のようにも語っている。

 

「20年間、この状況において私たちが手に入れたものは、緊張状態でしかない。エチオピアだけでなくエリトリアも、この行き詰った状態から何のメリットも受けていない。私たちは平和と和解へ向けたあらゆる努力に費やす必要がある。そして私たち自身がささいな戦争から抜け出すこと、また貧困をなくすことに焦点を当てる必要があるのです」

 

もっともこの発言に対し、エリトリアの方はまだ声明などを発表していない。そして以前は、「結び付きを回復させるかどうかは、最初にエチオピアが問題となっている領土から撤退するかにかかっている」と主張してきたという。

 

Facebook/Abiy Ahmed

エチオピアから独立後も関係悪化

 

そもそもエリトリアは1993年に国際的に認められるまで、約30年間もエチオピアからの独立を目指し戦ってきたと言われている。

 

そしてエチオピアの社会主義体制が崩壊した後に、念願の独立を果たすが、それ以降も影響力を行使したいエチオピアの政権と対立し、長い間紛争状態にあったという。

 

しかしエチオピアでは、今年の4月にAhmed氏が新しい首相に就任。国民に向け、政治や経済の改革を約束し、数千人の政治犯を釈放し、さらに今回、紛争の終結を目指す発言を行った。

 

今後どうなるか予断を許さないが、この地域の安定のためにも、和平が成立することを願う。(了)

 

出典元:INDEPENDENT:Africa’s ‘longest war’ may finally end after Ethiopia says it will accept ruling on border with Eritrea(6/8)

出典元:The New York Times:Ethiopia to ‘Fully Accept’ Eritrea Peace Deal From 2000(6/5)

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