EUがUNRWAに対し、81億円の資金提供を行うと発表
欧州委員会は3月1日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)に対して、資金を提供すると明らかにした。
イスラエル側に証拠を示すよう要求
EUの政策執行機関である欧州委員会は1日、声明を発表し、UNRWAに対し1億5000万ユーロ(約244億円)の一部である5000万ユーロ(約81億円)を来週、提供すると明らかにした。
以前、イスラエル側が、「ハマス」による越境攻撃にUNRWAの職員も参加したと主張したため、アメリカや日本を含む数カ国は、UNRWAへの資金拠出を一時的に停止した。
しかし国連は、UNRWAと「ハマス」とを結びつける証拠を、イスラエル側が提供していないと主張。またEUもイスラエルの主張に、懐疑的な見方を示していた。
EUの外務・安全保障政策上級代表のジョセップ・ボレル氏も、イスラエル側はUNRWAと「ハマス」の関係について、自らの主張を裏付ける証拠を提供すべきだとし、次のようにSNSに投稿した。
「EUは資金提供を続けることで、UNRWAがかけがえのない主体であることを認める」
The 1st transfer is already an important step to alleviate the situation in Gaza.
By continuing to fund it, the EU acknowledges UNRWA as an irreplaceable actor.
I commend @UN efforts to investigate the allegations against UNRWA and call on Israeli authorities to provide evidences— Josep Borrell Fontelles (@JosepBorrellF) March 1, 2024
深刻な水不足に陥る
そのUNRWAによれば、ガザ地区では食糧不足もさることながら、深刻な水不足にも陥っているという。
イスラエル軍が攻撃を加えて以来、ガザ地区では4分の1の井戸が破壊され、水の供給が93%も減少しているそうだ。
この急激な水不足により、特にガザ地区北部では、多くの人が脱水症状に陥っているという。
Since the war began, @UNRWA has delivered +23million litres of water to people in #Gaza
But over 1/4 of water wells have been destroyed & the water supply is at only 7% of pre-war levels
Food & water are basic needs. For the sake of humanity, #Gaza needs an immediate ceasefire. pic.twitter.com/LH9fkN9Woo
— UNRWA (@UNRWA) March 1, 2024
ガザ地区全土で攻撃が続く
そんな中でもイスラエル軍の攻撃は続いており、3月1日にもガザ地区全土で、多くのパレスチナ人が犠牲になっている。
まずガザ地区北部の町、Beit Hanoonではイスラエル軍の砲撃や空爆により、多数が死傷。ガザ地区中部の村でも、イスラエル軍の無人機による射撃で、男性1人が死亡したという。
同じく中部のDeir el-Balah東部でも、イスラエル軍の戦車が、パレスチナ人の避難している「al-Qastal」の塔を砲撃。これにより数人が負傷した。
南部のハンユニスでも、イスラエル軍が避難民の暮らす学校を包囲し、その付近で発砲したそうだ。
また南部のラファにあるYibna難民キャンプも、イスラエル軍の爆撃が行われ、子供1人が死亡。数人が負傷したという。
ガザ地区の保健当局は3月1日、イスラエルによるガザ攻撃で、少なくとも3万228人のパレスチナ人が死亡、7万1377人が負傷したと発表している。(了)
出典元:Al Jazeera:Israel’s war on Gaza live: Biden says US will air drop aid to enclave(3/1)