スペイン、アイルランド、ノルウェーがパレスチナを国家として正式に承認
ヨーロッパの3カ国は5月28日、パレスチナを国家として正式に承認すると発表した。
「希望のメッセージになることを願う」
スペイン、アイルランド、ノルウェーは先日、パレスチナを国家として正式に承認する方向だと発表しており、28日には予定通り承認を決定した。
アイルランドのサイモン・ハリス首相は議会において、次のように演説した。
「パレスチナの人々にとって、この最も暗い時期に、アイルランドが彼らと共にあるという希望のメッセージとなることを願っています。これは、パレスチナが自決権、自治権、領土保全、安全保障を含む国家の完全な権利を保有し、また主張でき、国際法の下でのパレスチナ自身の義務を認めるという我々の見解の表明です」
ノルウェーのEspen Barth Eide外相も正式承認が決定された後、「ノルウェーとパレスチナの関係にとって特別な日」だと述べたという。
スペインのペドロ・サンチェス首相も閣議において、「パレスチナを承認することは、歴史的正義の問題であるだけでなく、我々全員が平和を達成するためには、不可欠な要件でもある」と語ったそうだ。
Ireland, Spain and Norway are preparing to recognise the existence of a Palestinian state on 28 May.
Here’s a map of the world showing how many countries currently support Palestinian self-determination.https://t.co/bA9Vb9mJqj pic.twitter.com/74oWqRdDhP
— BBC News Africa (@BBCAfrica) May 28, 2024
領事館や代表部は大使館となる
3カ国とも、1967年の戦争前に確立された国境に基づき、パレスチナ国家を承認したと宣言した。
承認の外交プロセスは国によって異なるが、通常はヨルダン川西岸地区の都市、ラマラを拠点にしているパレスチナ自治政府と、正式な信任状を交換することになるという。
その後は、ヨルダン川西岸地区または東エルサレムにある既存の領事館または代表部が、正式な大使館となり、代表者は大使となる。
3カ国は、他のヨーロッパ諸国がこの動きに倣うよう促し、この外交的圧力が、ガザ地区での停戦と、ハマスに拘束された人質の解放に役立つことを期待しているそうだ。
イスラエル側は猛反発
しかしイスラエル側は反発しており、3カ国が(ハマスによる)テロを支援していると非難。3カ国にいたイスラエルの大使を、本国へ呼び戻したという。
またイスラエルのカッツ外相はSNSに、フラメンコのダンスや音楽と、10月7日のテロ攻撃の露骨な画像を並置させた動画を投稿し、「ハマス:ありがとう、スペイン」とコメントした。また同外相は、アイルランドとノルウェーについても、同様の動画を投稿したそうだ。(了)
出典元:BBC:Spain, Norway and Ireland recognise Palestinian state(5/28)