「ウクライナの支配地域がNATOの傘下に入れば、戦争は終わる」ゼレンスキー大統領が主張
ウクライナのゼレンスキー大統領は、イギリス・メディアのインタビューに応じ、ロシアとの戦争終結への道筋を示した。
ロシアの支配地域は外交的に解決
ゼレンスキー大統領は先日、「スカイニュース」に対し、現在ウクライナが支配している領土を、NATOの傘下に置くべきだと主張。次のように述べた。
「戦争の白熱した段階を止めたいのであれば、我々が支配するウクライナの領土をNATOの傘下に置くべきです。それが、我々が早急に行うべきことです」
また現在、ロシアが占領しているウクライナ領土の一部については、NATOの傘下に入ることで「ウクライナは、外交的に領土の残りを取り戻すことができる」と述べたという。
その上でゼレンスキー大統領は、「いかなる(NATO加盟への)招待も、国際的に認められた国境内で行われるべきであり、国の一部だけを招待することはできない」と語った。
NATO加盟で停戦案を受け入れる?
ゼレンスキー大統領は以前、ロシアが占領しているウクライナの領土を取り戻すまでは、戦争は終わらないと主張してきた。
しかし今回、ゼレンスキー大統領は、現在ウクライナのコントロール下に置かれている領土がNATOの傘下に入れば、戦争を終わらせるための停戦案を受け入れると「示唆」したことになる。
さらに踏み込んだ言い方をすれば、NATOの傘下に入れれば、ロシアが占領している領土を一時的に諦める、と主張したとも言えるだろう。
アメリカのトランプ次期大統領は、まだ具体的な停戦案を示していないが、ロシアに有利なように、現在の戦線を固定化させるとの見方が出ている。
「勝利計画」でもNATO加盟を要望
ゼレンスキー大統領は10月、「勝利計画」を発表し、この計画が実施されれば、2025年に戦争を終結させることができると主張した。
その「勝利計画」には、NATO加盟への正式な招待や、西側諸国の武器によるロシア領への長距離攻撃の禁止措置の解除、ウクライナ領土と主権の交換の拒否、ロシア西部クルスク州への越境攻撃の継続、などが含まれていたという。
しかしNATO側は、これまでもウクライナの加盟には慎重な姿勢を示しており、ロシアとの対決に巻き込まれることを警戒してきた。(了)
出典元:The Guardian:Zelenskyy says Ukrainian territory should be under ‘Nato umbrella’ to stop war(11/29)