「ハマス」が米政府と直接交渉、米国籍の人質を解放すると宣言

パレスチナ武装組織「ハマス」は現在、アメリカ政府と直接交渉しており、米国籍の人質を解放すると発表した。
人質の解放と停戦実現に向け交渉
「ハマス」は5月11日、停戦に向けた措置の一環として、ガザ地区で人質になっている、アメリカとイスラエルの二重国籍を持つ、イスラエル兵のエダン・アレクサンダー氏を解放すると発表した。
また「ハマス」は、ガザ地区での停戦実現と、苦境に立たされているパレスチナ住民への支援再開に向け、アメリカと直接交渉を行っていると発表。
声明でも「この人質の解放は、国境検問所の再開、そしてガザ地区の住民への援助と救援物資の供給につながる」や「集中的な交渉を、直ちに開始する用意がある」と述べた。
トランプ政権のスティーブ・ウィトコフ特使も、「ハマス」が停戦交渉再開を目指し、アレクサンダー氏の解放に同意したことを確認した。
主要な仲介役である、カタールとエジプトは「ハマス」の発表を歓迎。「ハマス」の動きは善意の表れであり、両当事者の停戦交渉復帰に向けた心強い一歩だと述べた。
そして5月12日、「ハマス」は約束通り、アレクサンダー氏を解放。赤十字国際委員会(ICRC)は12日の夜、アレクサンダー氏の移送を支援したことを確認した。
Video from the Israeli military shows the moment US-Israeli citizen Edan Alexander reunites with his family after being released from captivity in Gaza by Hamas. pic.twitter.com/HaeQitp5lz
— Al Jazeera English (@AJEnglish) May 12, 2025
イスラエル側の反応は不明だが…
「ハマス」がアメリカと直接交渉していることに関して、イスラエル政府関係者がどのような反応を示したのかは、正確には明らかになっていない。
ただし前回は、イスラエルが人質交渉に関与しておらず、その内容も知らなかったため、非常に憤慨していたという。
一方、アメリカ側は、交渉の渦中にある人物が、ガザで捕らえられたアメリカ人の人質であるため、誰の許可も必要ないと主張して反論したそうだ。
そもそもイスラエル政府は、4月にアメリカ政府とイラン政府が核協議を開始したことや、アメリカがイエメンの「フーシ派」と停戦合意したことに、驚かされたという。
またトランプ氏は、イスラエルのネタニヤフ首相と側近が、イランの核開発計画に対する軍事行動をアメリカ政府に促そうとしているとし、憤慨しているとも伝えられている。
そのためか最近、ネタニヤフ首相は声明で「イスラエルは、自力で自国を防衛できる」と強調したそうだ。
さらにトランプ政権は、封鎖されたガザ地区で人道支援物資の搬入を行うための、新たな取り組みについても発表している。(了)
出典元:Aljazeera:Hamas says it will release US-Israeli captive Edan Alexander(5/11)
出典元:THE TIMES OF ISRAEL:Report: Trump ‘disappointed’ with Netanyahu, will continue Middle East policy objectives without Israel(5/8)