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ドイツ、ウクライナへ提供する兵器の射程距離制限を撤廃

ドイツ、ウクライナへ提供する兵器の射程距離制限を撤廃
X_Marko Mihkelson

ドイツ政府は、ウクライナへ供与する兵器の射程距離制限を、初めて撤廃すると明らかにした。

 

ロシア領内の軍事目標を攻撃するため

 

ドイツのメルツ首相は5月26日、ウクライナ軍がロシア領内の軍事目標をより効果的に攻撃できるようにするために、射程距離制限を撤廃すると明らかにした。

 

この制限の解除は、ロシアによるウクライナへの大規模な空爆を受けて判断されたと考えられ、すでにアメリカやフランス、イギリスの兵器も射程距離の制限が撤廃されている。メルツ首相は、次のように述べた。

 

「これは、ウクライナが今や、例えばロシア国内の軍事拠点を攻撃することで自衛できることを意味します。ごくわずかな例外を除いて、最近までそのようなこと(ロシア国内への攻撃)はしていませんでした。今やウクライナはそうすることができるのです」

 

ロシア側は「危険」と反発

 

これに対し、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、ドイツの決定を「危険」と呼び、「もしこれらの決定が実際になされれば、それは政治的解決という我々の願望と完全に矛盾する」と述べ、和平合意の締結にも悪影響を及ぼすだろうと語った。

 

メルツ首相は、野党時代にウクライナへの長距離ミサイルの供与を主張していたが、前任者のショルツ前首相はこれを拒否。アメリカに次いでウクライナへ多くの武器を供与しているドイツ(世界第2位)は、射程距離70キロメートルを超える武​​器をウクライナに供与してこなかったという。

 

そのためメルツ氏が近々、長距離ミサイルの「タウルス」をウクライナに供与するとの憶測が飛び交っていたそうだ。

 

しかし、メルツ首相は、ドイツが「タウルス」をウクライナに送る準備をしているかどうかについては明言を避けた。

 

メルツ首相は就任以来、より慎重な姿勢を取っており、ドイツが計画を公然と語ればロシア政府に過大な情報を提供する危険性があるとし、「戦略的曖昧さ」というアプローチを好むと述べていた。

 

またメルツ首相は以前、ヨーロッパフォーラム会議で「侵略国ロシアとウクライナの軍事指導部の決定的な違いは、後者は軍事目標を狙っているのに対し、ロシアは民間人を標的にしていることだ」と指摘していた。(了)

 

出典元:The Guardian:Germany and Ukraine’s other allies scrap range limits on arms sent to Kyiv(5/26)

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