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英政府がパレスチナを国家として承認する姿勢、ガザ地区では死者数が6万人を超える

英政府がパレスチナを国家として承認する姿勢、ガザ地区では死者数が6万人を超える
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イギリス政府は、イスラエル政府の行動に変化がない場合、パレスチナを国家として承認すると明らかにした。

 

支援再開・停戦合意などを要求

 

イギリスのスターマー首相は7月29日、演説で、イスラエルがガザ地区などにおいて「長期にわたる持続可能な平和」に取り組まない限り、9月に国連の場でパレスチナを国家として承認すると述べた。

 

スターマー首相は具体的に、イスラエルがガザ地区での国連による人道支援を遅滞なく再開させること、「ハマス」との停戦に合意すること、ヨルダン川西岸地区の併合を行わないことを「明確に」約束しない限り、パレスチナの国家承認を行うとし、次のように述べた。

 

「我々は長年にわたりパレスチナ国家の承認に尽力してきた。パレスチナ国家はパレスチナ国民の奪うことのできない権利である。これは隣国から与えられるものではなく、イスラエルの長期的な安全保障にとっても不可欠である」

 

 

このイギリス政府の決断に対し、イスラエル外務省はSNSにおいて、次のように非難した。

 

「フランスのパレスチナ国家承認の発表や国内の政治的圧力に続き、イギリス政府の立場の変化は、ハマスに利益をもたらすだけだ。ガザ地区での停戦と人質解放の枠組みの達成に向けた努力に、悪影響を与える」

 

しかしイスラエル政府は先日、「ハマス」との和平交渉を一方的に打ち切り、交渉団を帰国させている。

 

英がガザ地区に支援物資を空中投下

 

イギリス政府は7月29日、現在飢餓状態に陥っているガザ地区へ初めて、支援物資の空中投下を行ったと明らかにした。

 

この支援物資には、約50万ポンド相当の救命物資が含まれており、スターマー首相はテレビ演説で次のように述べた。

 

「パレスチナの人々は、支援の壊滅的な失敗により、現在ガザ地区でひどい苦しみに耐えています。私たちは飢えた赤ちゃんや、立ち上がることもできないほど衰弱した子供たちを目にしています。この苦しみを終わらせなければなりません」

 

映画『ノー・アザー・ランド』の出演者が死亡

 

ヨルダン川西岸地区では7月28日、アカデミー賞受賞映画『ノー・アザー・ランド』の出演者で、著名なパレスチナ人教師・活動家でもあるアウダ・ハサリーン(Awdah Hathaleen)さん(31)が、イスラエル人の入植者によって射殺された。

 

3児の父であるハサリーンさんは、イスラエル人の入植者によって胸を撃たれ、地面に倒れ込んだという。そして人々が駆け寄ろうとすると、イスラエル側の救急車が到着し、彼を運び去っていったそうだ。

 

イスラエル側は28日、家族にハサリーンさんの死亡を告げたが、遺体の引き渡しを拒否したという。

 

 

フランス政府は、ハサリーンさんの殺害を強く非難。外務省は今回の事件を「殺人」と表現し、ヨルダン川西岸地区の他の村でも起きた事件に言及して、これらの暴力を「テロ行為」だと断罪した。

 

またフランス外務省は、イスラエル人入植者による暴力行為への反対を改めて表明。声明において「我々はEUによる、更なる制裁措置の採択を引き続き支持する。暴力が続く場合、そのような暴力を支持する政府関係者への制裁を含め、国家レベルで追加措置を講じる用意がある」と述べた。

 

ガザ地区では7月29日も、イスラエル軍の攻撃が行われ、夜明け以降、全域で81人のパレスチナ人が殺害された。またガザ地区の保健当局によれば、2023年の10月以降、イスラエルによる攻撃で6万34人が死亡、14万5870人が負傷したという。(了)

 

出典元:Aljazeera:LIVE: Gaza on ‘brink of full-scale famine’ as Israel blocks crucial aid(7/29)

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