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介護が辛い…と感じた時の相談先3つ

介護が辛い…と感じた時の相談先3つ
写真AC

要介護4の祖母を、同居して介護していた22歳の孫娘が殺害する事件が起こったのは、2019年10月8日のこと。10月28日に毎日新聞が事件をまとめた記事を公開し、この事件は注目を集めることとなった。

 

多くの人々が、「なぜ救えなかったのか」と感じたはずだ。ヤングケアラーと呼ばれる若い介護者たちは、周囲に相談できる相手もおらず、孤立してしまうことも少なくはない。

 

この記事では、介護で行き詰まりを感じた時の相談先を紹介する。自分自身が困った時、同僚や友人が悩んでいる時に、お役に立てれば幸いだ。

 

相談先1:ケアマネジャー

 

ケアマネジャーとは、要介護認定を受けた利用者に対し、本人や家族の状態、環境、要望、目標などに合わせて、どんな介護が必要なのかを考えてプランを立ててくれる存在だ。

 

例えば、1日数回の排泄介助などの身体介護、訪問看護、訪問リハビリ、ショートステイ、デイサービス、車イスや介護ベッドなどの福祉用具レンタルなどの介護保険制度を利用したサービスを、必要に応じて手配したりする。

 

他にも、紙おむつの支給などの自治体独自のサービスや利用者の状態に合わせた食事の形態を選べる高齢者向け配食サービスの手配などを、必要に応じて行う。

 

月に1度は必ず利用者を訪問してくれるので、その時に家族も同席して困ったことを伝えたり、電話で相談をしたりできる。

 

相談先2:地域包括支援センター

 

前出の事件では、ケアマネジャーに直接連絡を取ることを禁止されていたと報じられている。そんな時に頼りになるのは、地域包括支援センターだ。およそ中学校区ごとに1つのセンターが設置されている。詳細は市町村の高齢者関連窓口に問い合わせると、連絡先を教えてくれる。

 

ケアマネジャーも支援が難しい事例に関しては、地域包括支援センターと共有してチームとして連携し、解決を目指すこともある。

 

以前は介護を受ける高齢者を第一に考えた対応をしていたところが多く、悔しい思いをした介護家族もいたが、現在では介護を受ける人、介護をする人の両方の負担を軽減することを目的にアドバイスをしてくれる。ただし、残念ながらセンターによってばらつきがあるのが現状だ。

 

窓口で直接相談するほかに、電話での相談もできる。仕事をしていると平日に相談するのは難しいこともあるが、多くの地域包括支援センターでは土曜日や祝日にも受付をしているので、活用するといいだろう。

 

相談するポイントとしては、遠慮せずに思っていることを伝えること。「このままじゃ虐待してしまいそうだ」、「自分を傷つけてしまいそうだ」という思いをありのままに伝えると、要介護度に関わらず、要介護者を緊急で施設に入所させる措置をしてくれることもある。

 

相談先3:ウエブサイト「安心介護」

 

「安心介護」とは、株式会社エス・エム・エスが運営しているウエブサイトで、会員登録をして質問を投稿すると、介護の専門家からアドバイスを受けることができる。

 

匿名で24時間365日相談ができる気楽さがあり、介護の愚痴を掃き出したり、介護経験者同士で情報共有をしたり、励まし合ったりできる心強さもある。

 

介護で思い詰めてしまうと、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談をする気力も失われてしまいがちだが、人に話を聞いてもらうことで、その気力を取り戻せるだろう。

 

特にヤングケアラーなど、周囲に同じように介護をしている人がいない人には、ぜひ活用してもらいたいサイトだ。

 

ひとりで介護の悩みを抱えないで

 

訪問介護事業所の職員として、自宅で生活をしている要介護4で認知症の方のお世話をしたことは何度もあるが、同じ要介護度で同じ認知症でも状態は様々だ。

 

何かをしてくれた相手に、たとえその人が誰だかわからなくても「ありがたいね、幸せだよ」と言ってくれる方もいれば、おむつが濡れて気持ち悪いだろうから交換しようと声をかけても、拒否をして暴れてしまう人もいる。

 

介護はひとりで抱えたら偉いわけでも、要介護者が絶対に幸せになれるわけでもない。人生を共有し、最期の瞬間まで笑顔でその人を愛し続けることは、介護職員にはできない、家族にしかできない介護だ。

 

それを実現するためにも、介護の悩みはひとりで抱えず、親族などの周囲の人に何を言われても、ぜひ相談をして助けを求めて欲しい。

 

参考:毎日新聞「「限界だった」たった1人の介護の果て なぜ22歳の孫は祖母を手にかけたのか」(10/28)
参考:安心介護

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