イギリスとEUがイランへの制裁を実施、ロシア軍への無人機提供を非難
イギリスとEUは、ロシア軍へドローンを提供したとして、イランへの制裁に踏み切った。
イランの企業と3人の軍人に制裁
ロシア軍はウクライナに数十機の自爆型ドローンを飛ばし、エネルギーインフラを攻撃、今週首都キーウでは5人が死亡したという。
ウクライナは、イランが自爆型ドローン「Shahed-136 」をロシアへ提供していることを非難。
一方、イラン側はロシア軍への無人機提供を否定し、ロシア政府も10月18日、自国軍がイランの無人機を使用してウクライナを攻撃したことを否定している。
しかしイギリス政府は10月20日、ドローンを提供したとして、イランへの制裁を決定した。
制裁の対象となったのは、まず無人機を製造したとするイラン企業「シャヘド・アビエーション・インダストリーズ」。これは英国内における資産凍結の対象になったという。
またイラン軍の参謀長であるMohammed Hossein Bagheri少将、兵站担当のSayed Hojatollah Qureishi将軍、革命防衛隊の無人機司令官 のSaeed Aghajani准将も、資産凍結や国内への渡航禁止の対象となった。
また27カ国からなるEUも、ウクライナ攻撃に使用された無人機をロシアに供給したとして、イランの同じ企業と3人の個人に対する制裁に合意したという。
Iran’s support for Putin’s illegal war in Ukraine is further proof of its destabilising role in global security.
We are sanctioning the suppliers of drones used for the cowardly strikes on civilian targets and critical infrastructure in Ukraine. https://t.co/NZVTyupI1z
— James Cleverly🇬🇧 (@JamesCleverly) October 20, 2022
英軍機にミサイルを発射
また少し気になるニュースとして、黒海をパトロールしていたイギリス軍の航空機の近くに、ロシア軍機がミサイルを発射したことも報じられている。
イギリス国防省のベン・ウォレス国防相は下院において、9月29日に黒海上空の国際空域をパトロールしていたイギリス機の近くに、ロシア機がミサイルを放ったと明らかにした。
ウォレス国防相は、ロシア側がこの事件を「技術的な誤作動」のせいにしている、と述べている。
ヘルソンでは住民が避難を開始
ウクライナ南部のヘルソン州では、ロシア側に任命された当局者が、ウクライナの反攻を恐れて、民間人をロシア領内に移動させ始めたという。
ロシアに任命されたヘルソン州の責任者であるウラジミール・サルド氏は、ドニプロ川を渡って最大6万人を移動させる計画だと話している。
またロシア国営テレビも、ボートを使ってヘルソンの街を脱出する人々の映像を放映。当局によると、現在約1万5000人が「避難」しているという。
一方、ウクライナ側は、このようなロシアの発表を「プロパガンダ」だとし、ヘルソンの住民らに避難要請に応じないよう伝えた。
ウクライナ側は、このような住民の避難は「国外への強制移住」に相当すると、警告している。これまでもロシア側は占領した地域の住民を、ロシア国内へ強制的に移送してきたと伝えられている。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: UK sanctions Iran over drones used in Russian attacks in Ukraine; Kyiv restricts power use – as it happened(10/20)