英・トラス前首相の携帯電話が、ロシアのスパイによってハッキングされていた?
イギリスの前首相、リズ・トラス氏の携帯電話が、以前ロシアのスパイによってハッキングされていたと、イギリスの一部のメディアが伝えている。
国際交渉の機密事項も流出か?
「Mail on Sunday」によれば、ハッキングされていたのは、トラス前首相が外務大臣在任中のことだったという。
イギリスのセキュリティ・サービスは今年の保守党・党首選挙中に、トラス氏の携帯電話にセキュリティ侵害を発見したそうだ。
これにより前議長のクワシー・クワルテン氏との個人的なメッセージのやり取りや、国際交渉の機密事項も、漏れた可能性があるという。
ただしこの情報については、まだ公共放送の「BBC」や「Sky News」などは報じていない。
一度だけ外務大臣として訪ロ
このようなハッキングが、どのように行なわれたのかは明らかになっていない。
しかしトラス氏は2022年2月に一度だけ、外務大臣としてロシアのモスクワを訪問していたという。
その際、ロシア政府のセルゲイ・ラブロフ外相と緊迫した会談を行ったと言われている。
現在、その携帯電話は分析のために、政府の安全な場所に保管されているそうだ。
イギリス政府の広報担当者は「Mail on Sunday」の報道を認めておらず、次のように語っている。
「政府は、サイバー攻撃の脅威から保護するための強固なシステムを備えています。その中には、閣僚に対する定期的なセキュリティ・ブリーフィングや、個人データの保護やサイバー攻撃の脅威の軽減に関するアドバイスも含まれています」
「国家安全保障上の重要な問題」
一方、野党労働党の「影の内務大臣」であるイヴェット・クーパー氏は、次のように述べている。
「敵対的な国家による今回のような攻撃には、国家安全保障上の非常に重要な問題がある。そのような敵対国家は、我々の情報機関や治安機関によって、極めて真剣に対応されてきたはずだ。ここにはまた安全保障上の重大な疑問があり、なぜ、どのようにしてこの情報が今、漏洩されたのか、早急に調査されなければならない」(了)
出典元:METRO:Russian spies ‘hacked Liz Truss’s phone and stole sensitive messages’(10/27)