NATO外相会議、ウクライナに武器支援とインフラの修復を約束
NATO(北大西洋条約機構)の外相会議が日本時間の29日夜、ルーマニアの首都ブカレストで始まり、ウクライナへの支援を巡って議論が行われた。
「ロシアの攻撃はジェノサイドに相当する」
ウクライナにはすでに本格的な冬が訪れ、ロシアのインフラ攻撃により、何百万人もの人々が凍えるような気温の中、電気も水道も使えない状態になっている。
この状況を受けて、外相会議においてNATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、ロシアが「冬を戦争の武器として使おうとしている」と非難した。
そもそもジュネーブ条約では、民間人やその生存に不可欠なインフラへの攻撃は、戦争犯罪と解釈される可能性があるという。
ウクライナの検事総長も先週、「ロシアの攻撃はジェノサイドに相当する」と述べていた。
インフラの修復や民間人の保護を支援
NATO外相会談の冒頭で、ストルテンベルグ事務総長は次のように述べた。
「ロシアは事実上、戦場で失敗しており、領土を獲得することができないため、民間人や都市を攻撃しているのだ」
イギリスのクレバリー外務大臣も同じ意見で、「ロシアは、ウクライナ人を凍えさせて、服従させることを目的としている」と述べたという。
その後、NATOは声明を発表。加盟国がウクライナのエネルギーインフラの修復と、ミサイル攻撃から人々を保護するための武器支援を約束した。
「ウクライナに長距離ミサイルを提供すべき」
ウクライナのクレバ外相は前回、NATOの高官と会談した時、今必要なのは「武器、武器、武器だ」と強調した。
またウクライナは数カ月も前から、NATOに対し、より高度な防空システムの提供を求めてきた。今回の会合で、クレバ外相は次のように述べたという。
「今日、私が言ったのは3つの言葉です。それは、もっと早く、もっと早く、もっと早く、だ。私たちは、これまでの支援に感謝しています。しかし、戦争はまだ続いています。武器や生産ラインの決定は、もっと早くしなければならない」
一方、エストニアのウルマス・レインサル外相はその後、メディアの取材に答え、NATOはロシア領内を攻撃できるミサイルをウクライナに提供する必要があるとし、次のように述べた。
「ウクライナを助ける最も論理的な方法は、(ロシアの)ミサイルが発射される場所に効果的に侵入(攻撃)する能力を(ウクライナに)与えることである。すべてのオプションがテーブルの上にあるべきで、レッドラインや制限事項を設けるべきではない」
アメリカ主導のNATOは、核武装したロシアとの大規模なエスカレーションにつながるという懸念から、ウクライナに長距離ミサイルやその他の兵器を供給することを何度も否定してきた。(了)
出典元:BBC:Ukraine war: Nato pledges to provide more weapons and fix power grid(11/29)