イランが最高指導者の風刺画に激怒、仏大使を呼び出し抗議
イラン政府は、フランスの出版社(あるいは新聞社)が最高指導者の風刺画を掲載していることについて、大使を呼びつけ抗議を行った。
ハメネイ師の風刺画を多く掲載
その出版社とは、「Charlie Hebdo」だ。この出版社は毎週1回発行される雑誌において、これまでも数多く、イランの最高指導者であるハメネイ師の風刺画を掲載してきたという。
これは昨年9月以来、イラン国内で続いている反政府デモを支援するためとみられている。
しかし1月4日、イラン外務省はフランス大使のNicolas Roche氏を召喚。風刺画について抗議を行ったという。
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— Charlie Hebdo (@Charlie_Hebdo_) December 16, 2022
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— Charlie Hebdo (@Charlie_Hebdo_) December 26, 2022
フランス政府に説明と償いを求める
イラン外務省のスポークスマンであるNasser Kanani氏は、声明で次のように述べている。
「フランスには、表現の自由の口実の下で、他のイスラム国家の神聖さを侮辱する権利はない。イランは、フランス政府から説明や、出版物の受け入れがたい行為を非難する償いの行動を待ち続けている」
またイランの外務大臣であるHossein Amir-Abdollahian氏も、次のようにツイートした。
「宗教的・政治的権威に対して、風刺画を掲載するというフランス出版社の侮蔑的でみだらな行為は、効果的で断固とした対応なしには、済ますことはできないだろう。私たちはフランス政府が限界を超えるのを許さないだろう。彼らは明らかに間違った道を選んでいる」
イランの人々への支援を示す方法
一方で、「Charlie Hebdo」のディレクターであるLaurent Sourisseau氏は、次のように述べている。
「それ(風刺画)は、1979年以来人々を抑圧してきた神権政治に対し、自由を守るために命を危険にさらしているイランの男性や女性への支援を示すための方法なのです。公開された全ての風刺画は、最高指導者が主張する権威、指導者の部下や手下の軍隊に挑むというメリットがあるのです」
ただ「Charlie Hebdo」は2015年1月にも、イスラム教の預言者ムハンマドを風刺画として掲載したことで、イスラム過激派のテロリストらに襲撃されている。
この事件では、編集長、風刺漫画家、コラムニスト、警察官ら合わせて12人が死亡。事件に抗議し、「表現の自由」を求めるデモが、フランス各地で起きた。
しかし同時に、「表現の自由」をどこまで認めるべきか、といった激しい議論も引き起こされたという。(了)
出典元:The Guardian:Iran warns France over ‘insulting’ cartoons depicting supreme leader Ali Khamenei(1/4)