「プーチン大統領の逮捕は、ロシアへの宣戦布告になる」南ア大統領が発言
来月行われる会議に、ロシアのプーチン大統領を招待していることを巡り、南アフリカが揺れているという。
新興5カ国首脳会議に出席予定
南アフリカ政府は、8月にヨハネスブルグで開催される新興5カ国首脳会議(BRICS)に、ロシアのプーチン大統領を招待したという。
しかし南アフリカは、国際刑事裁判所(ICC)の加盟国。このため戦争犯罪人として逮捕状が出されているプーチン大統領が出席した場合、逮捕する義務が生じる。
だが7月18日に南アフリカの裁判所の命令より、シリル・ラマポーザ大統領の答弁書が公開され、彼が次のように述べていたことが明らかになった。
「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を逮捕することは、ロシアに対する宣戦布告に等しい。ロシアと交戦する危険を冒すことは、我々の憲法と矛盾する」
南アの野党が逮捕に前向き
実は、南アフリカの有力野党である民主同盟(DA)は、プーチン氏が国内に足を踏み入れた場合、政府の手を強引に動かし、確実に拘束して国際刑事裁判所に引き渡そうとしているという。
これに対してラマポーザ大統領は、今回公開された答弁書の中で、「民主同盟の申請は、無責任であり、国家の安全が脅かされている」と述べていた。
国際刑事裁判所は3月17日、プーチン大統領と子どもの権利などを担当するマリヤ・リボワベロワ大統領全権代表について、戦争犯罪の疑いで逮捕状を出した。
これに対し、ロシア側は、現職の大統領を逮捕すれば宣戦布告になると明言してきたという。
ラテンアメリカなども意見が割れる
7月18日には、ベルギーのブリュッセルで「EU-ラテンアメリカ・カリブ海諸国サミット」が開催されたが、ここでもウクライナ侵攻を巡るロシアへの対応で、各国の姿勢が分かれたという。
EU側は、この首脳会議でロシアへの非難を明確化することを望んでいたが、最終宣言では、ロシアについて盛り込まれなかったそうだ。
宣言では、「ウクライナに対する進行中の戦争に深い懸念」を表明。また戦争が甚大な人的被害を引き起こし、成長を制約し、インフレを増大させ、サプライチェーンを混乱させ、エネルギーと食糧の不安を高めていると述べた。
ロシアへの非難声明に反対したのは、ニカラグア、キューバ、ベネズエラとされている。
一方、アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領は、今回のサミットは戦争よりも気候変動、貿易、天然資源の公正な利用といった問題に取り組むべきだと主張したという。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war live: Washington determined to support Ukraine ‘for as long as it takes’, says top US general – as it happened(7/18)
出典元:Reuters:New dawn for EU, Latam clouded by wrangling over war in Ukraine(7/18)