ストーンヘンジのような奇妙な構造物、中からクモの子供が誕生する瞬間が撮影される
数年前、ペルーにあるアマゾンの熱帯雨林でとても珍しい形をした小さな構造物が発見されたのをご存知だろうか。
そして昨年、同様の構造物からクモの子供が誕生する場面が動画で撮影され、公開された。
最初の発見は2013年6月
この構造物はサークル状のフェンスが配置され、中心には奇妙なタワーが置かれていたことから、ストーンヘンジのようだとして「シルクヘンジ」と呼ばれてきた。
これを最初に発見したとされているのは、ジョージア工科大学の卒業生であるTroy Alexander氏。彼は2013年の6月に、ペルーにあるTambopata Research Centerのそばで3つ以上の構造物を見つけ撮影したという。
しかし最初はこれが何なのか、どんな動物が作ったのか分からなかったため、Alexander氏はさまざまなウェブサイトに投稿し、研究者らの意見を聞き、正体を突き止めようとしたそうだ。
クモの子供がタワーの下から生まれる
その約半年後の12月に、写真家のJeff Cremer氏(38)とタンボパタの研究者であるPhil Torres氏らが約7日間も捜索して、この奇妙な構造物を発見。
やがて中央のタワーのような場所からオレンジ色をしたクモの子供が出てくる場面を目撃したため、これを作ったのがクモであることが確認される。
またその後もエクアドルやフランス領ギアナ、ペルーでも同じものが発見されたが、そのクモがどんな種類なのか、またなぜこのような構造物を作るのか、目的や効果などもいまだに分かっていないという。
当時、Cremer氏はDailyMailの取材に対し次のように語っている。
「私たちはこの壁(フェンス)が小さなダニを捕まえることに使われているかもしれない、と考えています。またそれはアリが近づくのを防ぎ、バリアーのような役割を提供しているのかもしれません。さらにこの構造は菌やコケ類に似せて、カモフラージュとして使われているのかもしれません」
クモが誕生する動画の撮影に成功
そして今回、生物学者のPhil Torres氏らはエクアドルのヤスニ国立公園で同様の構造物を採取、そこから3匹のクモが誕生する場面の撮影に成功した。
さらに現在、子グモのDNAの分析を進めると同時に、子グモを成虫にまで育て何科に属するのか見極めることで、これまでの謎を解明しようと試みているという。
このクモがどんな種類なのか、なぜこのような構造物を作り上げるのか、さらなる調査に期待したい。
出展元: DailyMail:Watch baby spiders erupt from a bizarre ‘Stonehenge-like’ web spun by a mystery arachnid(1/5)
出展元:LIVESCIENCE:Golden Spiderlings Hatch from Bizarre ‘Silkhenge’ in Amazing Video(1/5)