ピラミッド“世紀の大発見”を喜ぶ研究者らに考古学者が釘を刺す
今月4日、エジプト・ギザの大ピラミッド内において、研究者らが空間を発見したことは日本でも大きく報道され、記憶に新しい。
しかし科学者らにより“世紀の大発見”とされた今回の発見については、研究チーム内部の考古学者の間から疑問の声が上がっている。
19世紀以来の“世紀の大発見”か
今回発見されたと言われている、クフ王のピラミッドの大回廊上に位置する空洞は、約30メートルにも及ぶという。
研究者らはその大きさからして発見された空洞は、墓としてのピラミッドにおいて重要な役割を担っていると考えている。
さらに今回の発見は19世紀以来の“世紀の大発見”だとしており、「この発見はクフ王のピラミッドとその内部構造を理解する突破口となる」と伝えてきた。
研究者らの発表に内部の考古学者からは疑問の声
しかしこの研究者らによる発表に対し、研究チーム内の考古学者の間から疑問視する声が上げられているという。
今回新たな空洞の発見を発表した調査研究プロジェクト「スキャンピラミッド」の監督ザヒ・ハワス氏は、ピラミッドに多くの空洞が存在していることはこれまでにも知られていたことだと指摘する。
そのため氏は新たな空洞が見つかったとしても、ピラミッドの謎の解明には直接結びつかないと釘を刺す。
議論経ぬ公表に苦言も
今回の発見は宇宙空間を飛び交うエネルギー“宇宙線”を利用した透視技術「ミューオンラジオグラフィー」を用い、2015年に開始されたピラミッドの調査研究プロジェクト「スキャンピラミッド」により明らかとなった。
ハワス氏は「研究成果は議論を経てから公表されねばならない」との苦言も呈している。
今回の“世紀の大発見”がピラミッドの謎の解明につながるのか、ピラミッド研究の先行きはまだ不透明なのかもしれない。(了)
出典元:RT:‘Breakthrough’ discovery inside Giza Pyramid baffles scientists(11/2)
出典元:AFP:エジプト考古学者、ピラミッド内に空洞発見の発表を批判(11/5)