脳インプラントをした患者がチェス、「ニューラルリンク」が動画を初公開
イーロン・マスク氏の会社「ニューラルリンク」が、チェスをする患者の動画を公開した。
患者の動画を初めて公開
「ニューラルリンク」は、人間の脳とコンピューターを繋ぐインターフェイスを開発しており、チップを脳に埋め込むことで、体の不自由な人に役立てようとしてきた。
そして昨年秋から、「ニューラルリンク」はアメリカ食品医薬品局(FDA)と病院倫理委員会の承認を得て、人間の被験者を募集。今年1月には、初めて人間に脳インプラントを行ったという。
今回、「ニューラルリンク」は、脳インプラントをした患者がチェスをする動画を、初めて公開した。その様子がこちら。(動画は、インタビューが中心となる。ところどころ操作する場面が映る)
— Neuralink (@neuralink) March 20, 2024
画面を見つめるだけでカーソルを移動
この男性患者は、ノーランド・アーボーさん(29)。彼は8年前のダイビング事故で、肩から下が麻痺してしまったそうだ。
アーボーさんによれば、今回チェスをした時には、画面上のどこかを見つめるだけで、カーソルを好きな場所に移動させられたという。
またアーボーさんは、チェスをプレイすることに加えて、脳インプラントのおかげで、ビデオ・ゲームの「シビライゼーションVI」を、8時間連続でプレイできるようになったと語っている。
ただし、インプラントの充電を待たなければならず、そのような制限はあったそうだ。
この技術は初めてではない
今回の動画は、「ニューラルリンク」がゲームをする被験者の様子を示した最初のものとなる。
もっとも脳のインターフェイスを通じたこの種の技術は、「ニューラルリンク」が初めてではない。
2004年にも、麻痺した人が脳のインターフェイスを利用して、コンピューターのカーソルを動かすことに成功している。
ただその時は、「ニューラルリンク」のようにデータを無線で送信できず、皮膚からワイヤーを突き出し、接続していたという。
しかも今回、アーボーさんはカーソルを動かしながら会話ができており、その点も注目に値するそうだ。(了)
出典元:The Verge:Neuralink video shows patient using brain implant to play chess on laptop(3/21)