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ダーウィンより100年も前に、「進化」を考えていたフランス人貴族がいた!

ダーウィンより100年も前に、「進化」を考えていたフランス人貴族がいた!
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進化論を唱えたチャールズ・ダーウィンよりもかなり前に、種が進化していることを理解していた人物がいたという。

 

「絶滅」と「種の変化」を提唱

 

その人物とは、ビュフォン伯爵のジョルジュ=ルイ・ルクレール(Georges-Louis Leclerc

)だ。

 

今回、ルクレールについての本、『Every Living Thing』が出版されることになり、著者ジェイソン・ロバーツ氏は、1740年代のフランス人博物学者の偉業に光を当てようとしている。

 

ロバーツ氏によれば、ルクレールは富の一部を使って、ブルゴーニュに所有していた広大な公園を「環境実験室」に変え、キツネの繁殖習性から鳥の模様、巣に選んだ木に至るまで、公園で起こっていることすべてを観察したという。

 

そしてルクレールは、50年かけて全36巻の『自然史』を執筆。ほとんどの自然史家が「神は、いかなる種の消滅や、新たな誕生を決して許さない」と信じていた時代において、動物が「絶滅」しているとの考えも推し進めたそうだ。

 

また、あらゆる種は神が創造したままの状態を保っている、と多くの学者が信じていた時代において、新種が出現して、時間の経過とともに「変化」したに違いない、と考えていたという。

 

しかし当時、「絶滅」と「種の変化」という概念は、非常に物議を醸したと言われている。

 

「退化」という言葉を使用

 

もっともルクレールは、「進化」ではなく、通常の生殖プロセスの外で起きる、種に変化をもたらす自然のプロセスを指すために「退化」という用語を使用。当時、「退化」という言葉には、否定的な意味はなかったそうだ。

 

ただ彼は、この種の変化が実際にどのように起こったのかを、まったく理解できなかったという。結局、そのプロセスを解明するには、ダーウィンの自然選択理論が必要だった。

 

またルクレールは、地球の歴史が聖書の記録よりも古いと示唆し、正式に異端として告発されたそうだ。結局、ソルボンヌ大学でも検閲を受け。彼は自分が書いたものを、公に破棄する声明を書かなければならなかったという。

 

ただ彼は「種が変わるためには、地球が何百万年も生きていることを想像する必要がある」と唱えており、地質学的スケールでの時間の概念を開拓したと考えられている。

 

そして自然はあまりにも複雑で変化しやすいため、簡単に分類することはできないと信じ、人為的な気候変動の影響さえ懸念していたそうだ。

 

ダーウィンも認めた人物

 

チャールズ・ダーウィンは、1859年に『種の起源』を出版した直後、約100年前に書かれたルクレールの本を読み始めたという。

 

そしてダーウィンは友人に対して「(ルクレールの本の)全ページが笑えるほど、私のものに似ている」と書き送っていたそうだ。

 

ダーウィンは『種の起源』の別の版で、ルクレールを、彼自身よりも先に、種が変化し、進化することを理解していた「数少ない」人物の1人だったと認めている。(了)

 

出典元:The Guardian:The French aristocrat who understood evolution 100 years before Darwin – and even worried about climate change(4/7)

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