古代に生息していた巨大なカンガルー、新たに3種類を特定
科学者により、大昔にオーストラリア大陸に生存していた、巨大なカンガルーの新種が特定された。
巨大カンガルーの「プロテムノドン」
この研究を行ったのは、南オーストラリア州にあるフリンダース大学の研究者たちだ。
彼らはオーストラリアやイギリス、アメリカ、パプアニューギニアの14の主要博物館に所蔵されている、巨大カンガルー「プロテムノドン」の900点の標本を写真で撮影し、3Dスキャンにかけたという。
するとホッピング方法の違いなど、種に大きな違いがあることを発見。この結果、「プロテムノドン・ヴィエイター(Protemnodon viator)」と「プロテムノドン・マムクラ(Protemnodon mamkurra)」「プロテムノドン・ドーソナエ(Protemnodon dawsonae)」を新種として特定した。
500万年前から4万年前に生息
これらの3種の巨大カンガルーは、500万年前から4万年前までに、オーストラリア中部の乾燥地帯や、タスマニア島、パプアニューギニアの森林に覆われた山々で暮らしていたと考えられている。
また研究者によると「プロテムノドン・ヴィエイター」の体重は最大170kgで、これは現代で最も大きなアカカンガルーのオスの2倍の体重になるという。
これまで「プロテムノドン」のほとんどは4本足で移動すると考えられていたが、研究者らは現在、これが当てはまるのは3~4種に限られ、その他の種は、時には4本足で、時には2本足で飛び跳ねていたと考えている。
そもそも「プロテムノドン」についての理解は、発見される骨が単体で、種の区別も難しいことから、なかなか進められてこなかったという。
しかし今回の研究論文の筆頭筆者であるアイザック・カー氏は、この種の分類により「巨大カンガルーがどのように進化し、環境変化にどのように反応したかについて、将来の研究が可能になるだろう」と述べている。(了)
出典元:The Guardian:Giant fossil kangaroos: scientists identify three new species of extinct megafauna(4/15)