全米で蚊を媒介にしたウイルス性疾患、2000件以上の症例を確認
アメリカでは今年、すでに蚊を媒介にしたウイルス性疾患が数多く確認されており、警戒が呼び掛けられている。
「西ナイル熱」「東部馬脳炎」など
アメリカでは蚊やダニが媒介するウイルス性疾患が毎年発生しているが、今年はすでに2000件以上報告されているという。
もっとも一般的なのは、西ナイルウイルスによって引き起こされる「西ナイル熱」。この病気は、軽度または無症状であることが多いが、脳炎症を引き起こす可能性があるという。
また「東部馬脳炎(EEE)」などの病気もあり、特にアメリカ北東部で、重篤な症例を引き起こしているそうだ。
EEEウイルスは、脳に長期的な損傷を引き起こす可能性もあり、特に高齢者、基礎疾患がある人、または免疫抑制剤を服用している人は、蚊に刺されることで重篤になる場合があると言われている。
感染した鳥から蚊、そしてヒトへ
西ナイルウイルスは1937年に初めて、ウガンダの西ナイル地方で発熱した女性から確認されたという。
このウイルスは、感染した鳥の血を蚊が吸い、そして人間に刺すことでヒトへ感染し、発熱や脳炎を引き起こすという。
ただし、ヒトからヒトへの感染例はないと言われている。西ナイルウイルスは、すでにアフリカ、ヨーロッパをはじめ、世界の広い地域に分布しているという。
EEEウイルスも、鳥と蚊から媒介して人や馬に感染するが、日本では2014年までに報告事例は無いそうだ。
これからの季節、蚊に刺されやすくなるが、予防法としては、まず水がたまったバケツを空にしたり、側溝の詰まりを取り除いたりして、蚊が発生する可能性のある場所を無くしていくこと。
また外出の際には、肌の露出を最小限に抑えるために長袖とズボンを着用し、窓や網戸がきちんと修理されていることを確認。さらにエアコンを使用して、蚊が好む温度よりも、涼しくするなどの対策も役立つという。(了)
出典元:ABC News:‘Drain, dress, defend’: The simple steps recommended to keep mosquitoes at bay(8/31)