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福井県で人間を襲うイルカ、孤独で性的欲求不満を抱えている可能性

福井県で人間を襲うイルカ、孤独で性的欲求不満を抱えている可能性
YouTube/BreakingOne

福井県で人間を襲うイルカについて、科学誌「Nature」が取り上げ、むしろ友好的なジェスチャーだった可能性が指摘されている。

 

単独の雄のバンドウイルカ

 

福井県では2022年からイルカが遊泳者を襲い始め、今年はすでに、少なくとも18人が負傷しているという。負傷のほとんどは咬み傷だが、中には骨折した人もいるそうだ。

 

研究者らは、写真やビデオ映像に基づいて、単独の雄のインド太平洋バンドウイルカ (Tursiops aduncus) が人々を襲っている可能性が高いと考えている。

 

ただ、三重大学鯨類研究センターの森阪匡通教授は、「Nature」に対し、次のように語っている。

 

「このイルカが浜辺にランダムに現れ、周囲に人がいると噛みつき、さまよってはそれを繰り返す様子が見られました。私にしてみると、彼(イルカ)は人々との何らかの交流を求めているのです」

 

実は、イルカは通常の社会行動の一環として互いに優しく噛み合うという。そのため、このイルカも、人間と友好的な関係にあると信じている可能性があるという。その上で森阪教授は、次のように語っている。

 

「彼が本当に攻撃したければ、全力でタックルして、口を大きく開いて噛んだかもしれません。しかし、イルカの基準に合わせて噛みつきを穏やかに保っているので、おそらくこれは全力で攻撃しようとするというよりは、むしろ友好的なジェスチャーでしょう」

 

人間をつがいのオスとみなしている?

 

ハンドウイルカは通常、群れの中で生活し、オスは他のオスと長期的なパートナーシップを築くこともあるという。

 

そして、つがいのオスは、こうした関係の一環として噛みついたり、追いかけたり、こすったり、ペニスをお互いに押しつけるなどの性行動をするそうだ。

 

このため森阪教授は、福井県のイルカが、人間をつがいのオスのように扱おうとしているのではないかと考えている。

 

実は福井県・越前松島水族館の館長、松原亮一氏も「ニューヨーク・タイムズ」紙に対し、イルカが2022年と2023年、人間に生殖器を押し付けようとする姿が観察されたと指摘。

 

このことから交尾行動をとっている可能性があり、同時にイルカに近づいたり、触れようとしたりした海水浴客に対し、咬みつくこともあったと語っている。

 

交尾願望の結果である可能性

 

他の研究者らも、攻撃の一部はイルカの交尾願望の結果である可能性があると主張。西オーストラリア州のシャーク・ベイ・イルカ調査プロジェクトの主任研究員であるサイモン・アレン氏は、BBCに対して次のように語っている。

 

「人間や他の社会的動物と同じように、ホルモンの変動、性的欲求不満、または支配欲が、交流しようとする人々を傷つけるよう、イルカを駆り立てているのかもしれません」(了)

 

出典元:Livescience:Sexually frustrated dolphin behind spate of attacks on humans off Japan(9/6)

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