約1億2500万年前に生息していたサソリの化石、中国で発見

中国で恐竜の時代に生息していたサソリの化石が発見され、その研究結果が発表された。
白亜紀前期の地層から発見
このサソリの化石が見つかったのは、中国北部・内モンゴル自治区の赤峰市だ。化石は白亜紀前期の地層から発見されており、約1億2500万年前に生息していたと考えられている。
このサソリは毒を持ち、現代のサソリよりも大きく、体長は約10cm。これまでにない新しい種だとして、科学者により「Jeholia longchengi(以下:J. longchengi)」と命名された。
「J. longchengi」は、中国で発見された4番目の陸生のサソリの化石であり、中生代のサソリとしては初めてだという。

堆積物の中で化石化した例は珍しい
実は、中生代(2億5200万年前から6600万年前)のサソリのほとんどは、琥珀の中に保存され、発見されてきた。
しかし今回の「J. longchengi」は、堆積物の中で化石化しており、そういう点からも珍しいそうだ。
また他の中生代のサソリは遥かに小さく、「J. longchengi」の半分以下の大きさだったという。
小型のトカゲや哺乳類も食べていた可能性
「J. longchengi」は、五角形の体と丸い気門(呼吸を可能にする体の開口部)を持っており、これらの特徴は、アジアの他の地域に生息する、現代のサソリのいくつかの種と似ているそうだ。
しかしこのサソリは、かなり長い脚と、蹴爪のない細いハサミを持っているという。
また発見された場所からは、恐竜や鳥類、哺乳類、昆虫など、他の多くの動物の化石が発見されており、当時は複雑な食物連鎖の環境に置かれていたことが示唆された。
研究者らは論文で、より大型の哺乳類や恐竜が「J. longchengi」を捕食していた可能性がある一方、サソリのエサには昆虫やクモ、カエル、さらには小型のトカゲや哺乳類も含まれていた可能性があると記している。
もっとも化石にはサソリの口が保存されていないため、実際に何を食べていたのかを確実に知ることは難しい。しかし、今後さらなる標本が発見されれば、食物連鎖の位置が明らかになると、研究者らは期待しているという。(了)
出典元:Livescience:125 million-year-old fossil of giant venomous scorpion that lived alongside dinosaurs discovered in China(3/4)