中国の探査機が月から持ち帰ったサンプル、英の研究者が受け取る予定

中国の探査機が月から持ち帰ったサンプルの一部を、イギリスの研究者が受け取る予定となっている。
英・オープン大学の教授が選ばれる
その研究者とは、イギリス・オープン大学(OU)のミルトン・キーンズ研究所に所属する、マヘシュ・アナンド教授だ。
中国の月探査機「嫦娥5号」は、2020年12月に月のサンプルを地球に持ち帰った。
そしてアナンド教授は、2023年12月に「嫦娥5号」のサンプルに関する研究を行うために中国側に申請。そして今回、サンプルの一部を受け取ることができる、世界で7人の専門家の1人に選ばれた。
📣 Big news!
The OU’s Professor Mahesh Anand, Professor of Planetary Science and Exploration, has been selected as the first scientist from the UK to receive Moon samples from China’s Lunar Exploration Program @CNSA_en @esa ⬇️https://t.co/6X0Oho6UNU pic.twitter.com/pn2brMpLqX
— The Open University (@OpenUniversity) April 24, 2025
サンプル中の炭素や窒素、酸素などを分析
中国の無人探査機「嫦娥5号」は2020年11月、月の表側にある「嵐の大洋」と呼ばれる場所に到達。そこでサンプルを回収し、地球に帰還したのだが、これは1976年にソ連の探査機によって実施されて以来のこととされている。
アナンド教授は、20年以上にわたり月の研究を行っており、OUの同僚らと協力して、月面の水の存在などを解明しようとしているという。
そして今回、月のサンプルを受け取った後、ミルトン・キーンズ研究所の研究チームは、サンプル中の炭素、窒素、酸素、希ガスの量と、同位体組成を決定することを計画している。
OUによると、この結果は月における巨大衝突の起源を評価し、地球-月系における炭素や窒素などの揮発性物質の歴史について、新たな知見を得るのに使われる予定だという。
中国の宇宙ミッションによって持ち帰られた月のサンプルが、国際的な主任研究員に割り当てられるのは、今回が初めてだとされている。(了)
出典元:BBC:UK scientist given Moon samples from China mission(4/25)