2つの宇宙望遠鏡が協力し、新たな土星の姿が明らかに

2つの宇宙望遠鏡により、これまでとは全く異なる視点から土星の姿が明らかにされた。
「ハッブル」と「ジェームズ・ウェッブ」
その2つの宇宙望遠鏡とは、アメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)、カナダ宇宙庁(CSA)が共同で運用する「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」と、NASAとESAが共同運用する「ハッブル宇宙望遠鏡」だ。
これらの宇宙望遠鏡は、10年以上にわたる観測プログラム「OPAL(Outer Planet Atmospheres Legacy)」の一環として、2024年に土星を撮影。
それぞれ異なる波長の光を観測することで、巨大ガス惑星である土星の大気について、より豊かで多層的な理解をもたらしたという。
右は「ハッブル」によって2024年8月に撮影された画像で、左は、その数カ月後に「ジェームズ・ウェッブ」によって撮影された画像となる。

さまざまな深さの雲や化学物質を撮影
「ジェームズ・ウェッブ」は主に赤外線で観測を行い、土星の深層雲から希薄な上層大気まで、様々な深さに存在する雲や化学物質を捉えたという。
また「ハッブル」は主に可視光で観測を行い、惑星全体の微妙な色の変化を明らかにしたそうだ。
そして両方の望遠鏡で観測することにより、土星の大気に層構造や嵐が存在することが示されたという。
例えば「ジェームズ・ウェッブ」の画像では、「リボン波」と呼ばれるジェット気流が、通常は観測できない大気波の影響を受けながら、北半球中緯度を蛇行している様子が映っている。
またその下には、2011年から2012年にかけて発生した「春の大嵐(Great Springtime Storm)」の名残とされる、小さな点も見えていた。さらに土星の南半球に点在する、他のいくつかの嵐も写っていたという。
2つの望遠鏡の協力により、科学者たちはまるでタマネギの皮をむくように、土星の大気を複数の高度で、効果的に「切り分け」ることができたそうだ。
そしてこれらの観測結果を総合することにより、土星の大気がどのように相互に連結した三次元システムとして機能しているかを、理解するのに役立つと考えられている。(了)
出典元:ESA:Webb & Hubble capture new views of Saturn(3/25)

























