人工の流れ星を作る衛星を載せた「イプシロン4号機」が、まもなく打ち上げ
1月18日に打ち上げ予定の「イプシロンロケット4号機」。ここに人工の流れ星を作り出す、衛星が搭載されているのをご存じだろうか。
流れ星の素となる物体を衛星から放出
人工流れ星のミッションを行っているのは、日本の民間宇宙ベンチャーの「株式会社ALE」だ。
東京都港区に本拠を置くこの会社は、人工的に流れ星を作り出すという、世界で初めての試みに着手してきた。
通常の流れ星は、宇宙空間に漂う塵や隕石などが大気圏に突入し、高温になって光を放つ。
しかしこの人工の流れ星では、まず超小型の衛星から流れ星の素となる物体を、後方へ1粒ずつ放出。その後、物体が大気圏に突入して、輝くという仕組みになっている。
そして昨年12月には、物体を放出する「人工衛星初号機」を完成。今回、「イプシロンロケット4号機」に搭載され、打ち上げられることになった。
2つの大きな挑戦とは?
もっとも実際の流れ星を作るミッションは、これからが本番だ。ALEのサイトによれば、打ち上げ後には2つの大きな挑戦が待っているという。
ひとつは、DOM®:De-Orbit Mechanism※1による軌道降下ミッションです。
人工流れ星を実行するのは高度400kmより下の軌道なので、高度約500kmでイプシロンロケットより切り離された後、高度差約100kmを自力で降下する必要があります。その方法として、初号機は宇宙空間でDOM®によって膜を展開し、微小な大気抵抗を利用して少しずつ高度を下げます。この数ヶ月におよぶ軌道降下の旅もまた、今回の人工流れ星実現への重要なミッションとなります。
ふたつめの挑戦は、夜空に人工流れ星を輝かせることです。
これらのミッションがうまくいけば、現在開発中の2号機も合わせて使い、2020年春、広島・瀬戸内地域にて人工の流れ星をお披露目する予定だという。
このイベントでは直径約200kmの広範囲で600万人以上の人々が、世界で初めて人工の流れ星を目にすることになるそうだ。
打ち上げが変更、18日を予定
今回の「イプシロンロケット4号機」は革新的衛星技術実証1号機を搭載しており、ALEの人工衛星初号機はそこに含まれる7つの衛星の1つとされている。
また「イプシロンロケット4号機」は本来1月17日に、内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられるはずだったが、天候の悪化が予想されたことから予定を変更。
1月18日の9時50分20秒~9時59分37秒(日本標準時)に打ち上げられる予定だという。ただし今後の天候状況を踏まえ、再度判断されるとか。
ロケットの打ち上げはもちろん、人工流れ星のミッションも成功することを願う。(了)
出典元:ALE:創業から7年、ついに株式会社ALEの人工衛星初号機が完成~2019年1月17日、いよいよ宇宙へ~(2018/12/13)