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中国でクローンによる警察犬が誕生、その理由は効率的に訓練するため?

中国でクローンによる警察犬が誕生、その理由は効率的に訓練するため?
Sinogene Biotechnology Co.

中国といえば近年、クローンによる猿を誕生させるなど、この分野における進展が目覚ましい。

 

そんな同国においてクローン技術による警察犬が誕生し、注目を集めている。

 

優秀な警察犬として知られる犬と99.9%同一のDNA持つ

 

クローン技術によって誕生した警察犬として注目を集めるのは2018年12月19日に誕生し、まだ生後約3か月の子犬“Kunxun”だ。Kunxunは中国においてクローン技術により誕生した初の警察犬となる。

 

Kunxunは、Huahuangmaという7歳のメスの警察犬のクローン。

 

クンミング・ウルフドッグのHuahuangmaは、殺人事件をはじめとする数々の事件の解決に寄与し、2016年には中国公安省から表彰される経験を持つ優秀な警察犬として知られていた。

 

そんなHuahuangmaのクローンとして誕生したKunxunは、DNAの99.9%がHuahuangmaのものと一致するという。

 

Sinogene Biotechnology Co.

 

Kunxunの訓練は既に雲南省の省都、昆明市における警察施設で今月初頭より開始されているとのことだ。

 

大幅な訓練時間削減が可能に

 

一般的に一匹の犬を警察犬として訓練するためにかかる時間と費用は膨大だ。

 

中国においてHuahuangmaのように優秀な警察犬を育てるためにかかる時間は通常4年から5年とされ、さらにそのコストは40万元(約656万円)から50万元(約820万円)にも上るとのこと。

 

また従来の手法においては、優秀な警察犬の血統を次の世代へと受け継ごうとしても、世代が下るにつれてその血が薄まっていってしまうのは避けられないことであった。

 

一方、警察犬としての才能を持つHuahuangmaのDNAを用いたKunxunのようなクローン犬であれば、その訓練にかかる時間を大幅に削減することが可能になるとみられている。

 

さらにクローン技術によって警察犬を生み出すことによっては、子犬の時点で訓練から脱落してしまう犬の数を減らすこともできると考えられている。

 

Kunxunも既に薬物探知や群衆整理、証拠の探索といった訓練を開始させる中、昆明市で訓練されている他の警察犬と比較し優れた潜在力を示しているとのこと。

 

生後10か月に達する頃には警察犬になれるとみられている。

 

クローン警察犬誕生にはコスト面等の問題も

 

一方、Kunxun誕生にかかる費用は明かされておらず、クローン技術を用いた警察犬を多く生み出す際、そのコストがネックになるともされている。

 

また一匹の犬が優秀な警察犬になれるか否かということは、訓練をする側のトレーナーのスキルによっても大きく左右されるとのこと。

 

しかしそれでも中国では既に、警察犬の体細胞を保存し活用するための貯蔵所を設立する計画も進んでいるそうだ。

 

これについて昆明市の警察犬訓練所の研究者Wan Jiusheng氏は、「クローン警察犬は実験段階だ」という。

 

「今後10年間で技術が成熟し、クローンによる優秀な警察犬を量産させることができることが期待されている」とし、今後クローン技術による警察犬が中国において広がりを見せる可能性を示唆している。

 

ちなみに韓国では2005年にクローン技術による世界初の警察犬が誕生しており、その2年後には実際に現場で活躍したとされている。

 

クローン技術が進展しつつある中国において誕生したクローン警察犬、Kunxun。彼女が今後どのような活躍をみせてくれるのか、期待して見守っていきたいところだ。(了)

 

 

出典:Global Times:Cloned police dog starts Training (3/19)

出典:Fox News:Top Chinese police dog cloned to cut training times, state media Reports(3/21)

出典:The GuardianChina clones ‘Sherlock Holmes’ police dog to cut training times – report (3/19)

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