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【新型コロナウイルス】中国の医師が「血漿」による治療の有効性を主張

【新型コロナウイルス】中国の医師が「血漿」による治療の有効性を主張
YouTube/Doherty Institute

新型コロナウイルス(COVID-19)の治療において、回復した人々の血漿を使うことが有効であると上海の医療チームなどが主張している。複数のメディアが伝えている。

 

回復した患者の血漿を注入

 

上海公衆衛生医療センターのLu Hongzhou教授は2月17日、新型コロナウイルスに感染している患者に対して、回復した人々から提供される血漿を注入する治療を行っていると明かした。

 

この治療法は予備検査での有力な結果も報告されており、Hongzhou教授もこの方法が患者に対し非常に有効である可能性があり、肯定的に受け止めていると語った。

 

病院では現在、血漿を提供してくれる回復した人を選別しており、提供された血漿はB型肝炎やC型肝炎など他の病気がないかをチェックされているという。

 

※ちなみに血漿とは、血液から血球成分を取り除いた液性の部分。  血液を試験管にとって遠心分離すると、下の方に赤い沈殿物ができ、上澄は淡黄色の液体になる。 赤い塊は主として赤血球の集りで、上澄みの液体が血漿となる。血漿はアルブミンと、免疫機能を持つグロブリンなどのタンパク質を微量含んでいると言われている。

 

患者が24時間以内に回復

 

また中国国営の医薬品メーカーである「中国生物技術集団(China National Biotec Group Co)」も2月8日以来、10人以上の患者に抗体が含まれた血漿を使っていると声明で発表。

 

同時に、この治療を受けた患者が24時間以内に改善の方向へ向かい、その際炎症やウイルス量が減少し、血中の酸素濃度も改善したと述べているという。

 

このため同会社は、新型肺炎から回復した人に対して血漿を寄付するよう求めており、さらに中国国家衛生健康委員会も、重症化した患者への治療法のリストの中に、この血漿による治療を加えたと言われている。

 

WHOも重要な分野と認めるも…

 

世界保健機関(WHO)緊急プログラムのMike Ryan博士も、スイスのジュネーブで記者に対し、次のように語っている。

 

「回復した患者の血漿は、狂犬病やジフテリアを含んだ感染性の病気に有効であり、命を守ることができると証明されています。これは追求するには重要な分野です。なぜなら(血漿内にある)高度免疫グロブリンがすることは、回復した患者の中にある抗体を集めることだからです。こうすることで、非常に困難な局面を乗り切るために、新しい患者の免疫システムに抗体の後押しが与えられるのです」

 

「だからこそ、それは適切な時間を見計らって、与えられなければなりません。何故なら、それらは免疫システムの中で、ウイルスを掃討するからです。またそれは新しい患者の免疫システムに、必要とされる時間において、重要なひと押しを与えることになるからです。このため慎重に時間を見計らわなければなりません。またこれが常に成功するとも限らないのです」

 

「彼ら(研究者ら)が中国で、血漿に対する治験を始めていると信じています。私たちがまだワクチンを持たず、特定の抗体を持たない現在、治療法を探る上において、それは非常に有効な方法です」

 

この血漿による治療と同時に中国の医師たちは、役に立つかどうかを見極めるため、他の感染病で認可された抗ウイルス薬も使用しているという。

 

また科学者たちも現在、2つの抗ウイルス薬をテストしており、数週間後に予備的検査の結果が出る予定だと言われている。(了)

 

 

出典元:REUTERS:Chinese doctors using plasma therapy on coronavirus, WHO says ‘very valid’ approach(2/18)

出典元:FORTUNE:China finds promising coronavirus treatment in blood plasma from recovered patients(2/14)

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