マスクで息苦しい?医師が血中の酸素量を計ってみると……
米国サウスカロライナ州のコンウエイ医療センターで働く小児科医が、マスクに関するちょっとした実験をしてFacebookに投稿。それが欧米のSNSやメディアで話題になっている。
マスクをすると酸素不足になる?
新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、世界各国でマスクの着用が求められているが、息苦しいとか、酸素不足になるという理由でマスクをしない人もいる。コンウエイ医療センターのMegan Hall医師は、メディアの取材を受けてこう話す。
「マスクを着けるのは健康に良くないのでは、という意見をFacebookで非常によくみかけます。また、病院に来た患者さんやその他の人たちからも、同じことをよく聞きます」
彼女はそんな人たちに向けて、実際に血中の酸素量が減るかどうかを実験してみせ、結果をFacebookに投稿した。それは簡単な実験で、マスクを着けた時と着けない時の自分の血中酸素量(血中酸素飽和度)を計って比較するというもの。血中の酸素量が十分なら、酸素は十分に吸えていることになる。
測定値は……
Hall医師が最初に計ったのは、マスクを着けないときの血中酸素飽和度。Facebookに投稿された写真に、パルスオキシメーターの「98%」の表示(左側の数字)が見えている。右側の数字は1分間あたりの心拍数/脈拍数で、「64」だ。
(パルスオキシメーターは、血液を採取せずに光線の吸収値から血中の酸素飽和度を算出する装置。指先にはめて使う)
次に、医療現場で使われる普通タイプのマスク(サージカルマスク)を5分間着けてから測ってみると……
酸素量はマスクなしのときと変わらず「98%」。心拍数もほぼ同じ「68」だ。
ついでに、医療従事者が使うウイルス防護用のN95マスクで(5分間着用後に)計ってみると、こちらもほぼ変わらず。酸素量は「99%」、心拍数は「69」だった。
最後に、N95マスクとサージカルマスクを2重に着けて計っているが、これでも酸素量は「99%」、心拍数「69」とほぼ変わらない。(ちなみに、2重のマスクは冗談でなく、今の米国の医療現場ではこれが普通なのだそう)
これらの実験結果をまとめて、彼女はFacebookにこう書いている。
「マスクを着けても着けなくても血中の酸素量(と心拍数)に大きな変化は見られない。マスクを着けるのは鬱陶しいかもしれないが、息はちゃんと吸える」
6月23日のこの投稿には1万5000以上の「いいね」が付き、3万2000回以上シェアされている。(了)
出典元:Mirror:Doctor’s urgent message for people still refusing to cover face during pandemic(6/25)
出典元:abc15NEWS:Myrtle Beach pediatrician goes viral with mask post(6/25)