飛沫の拡散を防げるのはどんなマスク、米研究者が複数のマスクで実験
アメリカの研究者が、どのマスクがどのくらい飛沫を防げるのかを調べ、その結果を発表した。
研究室に実験装置を設置
この調査を行ったのは、ノースカロライナ州デューク大学の物理学者で、化学者でもあるMartin Fischer博士(Ph.D.)などが率いた研究チームだ。
彼らは研究室にレーザーやレンズ、ボックス、そしてスマートフォンのカメラなどを使い、飛沫実験の安価な装置を設置。
マスクなしと、3つのタイプのマスクをつけて話し、人間からそれどれどの程度の飛沫が拡散するかを調べた。
最も効果があったのは「N95マスク」
その結果、まず(これはすでに知られていることだが)、くしゃみや咳をしなくても、会話だけで飛沫が拡散することが確認された。
また医療の最前線で使われている「N95マスク(バルブなし)」が、もっとも飛沫を抑制する効果があり、ベストなマスクだと判明する。
さらに「サージカルマスク(またはポリプロピレンでできたマスク)」も飛沫の拡散をよく防ぎ、手作りのコットン製のマスク(布マスク)も、通常の会話においてかなりの量の飛沫を防いだという。
ただし「バンダナ」や「バラクラバ」などの「ネックフリース」などは、飛沫の拡散をあまりブロックできなかったそうだ。
最大99%の飛沫を防げる
もっとも研究者によれば、さまざまな種類のマスクや話し手、人々がマスクをどのようにつけているか、などのバリエーションを加えて、今後も調査する必要があるという。
ただし研究を依頼した物理学者のEric Westman 氏は、次のように述べている。
「マスクを付けることは、COVID-19の拡散を防ぐためのシンプルで簡単な方法です。感染の半数は、無症状の人からのもので、彼等はしばしば自らが感染していることに気づいていません。(略)もし人々が全員、マスクをすれば、飛沫が人々に到達するのを最大99%も防ぐことができるでしょう」(了)
出典元:Duke University Health System:Inexpensive, Accessible Device Provides Visual Proof that Masks Block Droplets(8/7)