雷雲から突き出す「ブルージェット」、珍しい現象をISSで観測【動画】
「ブルージェット」と呼ばれる珍しい現象が、国際宇宙ステーション(ISS)において観測された。
青い光の柱、そして光と紫外線の輪
この様子を観測したのは、ISSに取り付けられている、欧州宇宙機関(ESA)の「欧州大気-宇宙相互作用モニター(European Atmosphere-Space Interactions Monitor:ASIM)」だ。
その現象が発生したのは、太平洋のソロモン諸島に浮かぶ「ナルー島」付近だとされている。
観測した宇宙飛行士によれば、全部で5つの青い光が見え、それぞれ10ミリ秒ほど続いたという。
また最後の光は「ブルージェット」と呼ばれ、光の柱の先端が雷雲を突き破るようにして立ち現れ、その直前には電離層の底で「エルフ」と呼ばれる光と紫外線の放射の輪が急速に拡大し、上昇していったそうだ。
この時の様子は、アーティストによって加工・視覚化され、動画としてESAによってYouTubeで公開されている。
「ブルージェット」とは?
「ブルージェット」と呼ばれる現象は、雷雲の頂上から成層圏に伝播するときに円錐状に広がる、雷のような大気放電のこと。
雲の正に帯電した上部領域と、雲の境界および上空の負の電荷の層との間の絶縁破壊で始まると考えられ、成層圏の50kmの高さまで到達するという。
またESAの「ASIM」は「ストーム(嵐)・ハンター」とも呼ばれる装置で、雲の中で雷がどのように発生するのか、または大気中の温室効果ガスの濃度にどのように影響するかを明らかにするのに、役立つと考えられている。(了)
出典元:ESA:Genesis of blue lightning into the stratosphere detected from the International Space Station(1/20)
出典元:INDEPENDENT:‘Blue jet’ lightning detected from International Space Station(1/23)