約100年間確認されてこなかった稀少なハチ、オーストラリアで発見
長い間見つかっていなかったオーストラリアのミツバチが発見され、科学誌「Journal of Hymenoptera Research」において発表された。
直近の記録は1923年のもの
そのハチとは、オーストラリアの固有種である「Pharohylaeus lactiferus(ムカシハナバチ科:Hylaeinae)」だ。
このハチはこれまで6匹しか発見されておらず、1923年にクイーンズランド州で確認された記録が、最後のものになるという。
仲間であるハチの専門家・Olivia Davies氏とTobias Smith博士は、目撃情報がないことから「Pharohylaeus lactiferus」の絶滅の可能性を提起。そこで、Flinders大学の研究者らが大規模なフィールド調査を行った。
彼らはニューサウスウェールズ州やクイーンズランド州にある、225の一般的なサンプリングサイトと20のターゲット・サイトにおいて調査を実施。その結果、複数の「Pharohylaeus lactiferus」を確認したという。
生息域が限られている可能性
「Pharohylaeus lactiferus」は主にオーストラリアの東海岸付近に自生している植物を好んでおり、そこを訪れるハチたちをサンプリングすることで、今回発見したという。
またこのハチは熱帯または亜熱帯の熱帯雨林(単一の植生タイプ)の近くでのみ発見されたため、生息域は非常に断片化され、このハチの個体群が孤立した状態にあると考えられるそうだ。
このため「P.lactiferus」の個体群は依然として稀であり、生息地の破壊、例えば森林破壊や山火事などの影響を受けやすい、と結論付けた。
そもそもオーストラリアには1654種の在来種のミツバチが生息しているが、これらは侵略的なヨーロッパミツバチによって影が薄くなり、一般の人の目にもとまりづらい状況になっているという。(了)
出典元:Flinders University:Rare bee found after 100 years(2/26)