逆立ち歩きするウサギ種、その理由が解明された
逆立ちして歩くウサギがいるのをご存知だろうか。「sauteur d’Alfort」という品種のウサギだ。前につんのめって偶然そうなるのではなく、急いで進みたいときに後ろ足を意図的に垂直に上げ、2本の前足だけでチョコチョコと歩く。
その理由が遺伝的なものである、ということが、最新の遺伝子解析技術によってはっきりした。
逆立ち歩きするウサギ
このことを報じている海外メディアによれば、「sauteur d’Alfort」の逆立ち歩きは、動物学者の間でずっと以前から有名なこと。1943年にはいくつかの実験が行われ、この珍しい行動が生後に学習されたものでなく、生まれつきのものだと分かった。
逆立ち歩きを映した動画が、非営利団体「Society for Science」のYouTubeチャンネル「Science News」に掲載されている。
原因は何らかの遺伝子異常だろう、と推測されていたが、遺伝子解析技術がなかった当時、それを確かめることはできなかった。
解析技術で遺伝子を特定
このウサギ種の遺伝子解析を行ったのが、ヨーロッパで有名なウプサラ生物医学センターを擁するスウェーデン・ウプサラ大学だ。(結果は論文にまとめられ、3月25日に発表されている)
その結果判明したのは、「RORB」という遺伝子に異常(正確には「欠損」)があるということ。この遺伝子は、体の右側と左側の手足の動きを連携させる上で重要な役割を果たしているそう。それに異常があるせいで、ウサギの後足が異常に緊張して動かなくなり、前足で歩かざるを得なくなるらしい。ウプサラ大学の遺伝学者・Leif Andersson氏は、海外メディアにこう話す。
「体を動かすときには、常に神経細胞の中を電気信号が行き来して、四肢のバランスを取るように筋肉の収縮を調節しますが、これらの(遺伝子に異常がある)ウサギは、それが上手くできないのです」
ちなみに、「sauteur d’Alfort」の中には遺伝子異常がなく、逆立ちしないものもいる。また、Andersson氏によれば、逆立ち歩きしても、ウサギは痛みなどを感じてはいないらしい。(了)
出典元:Smithonian Magazine:Thanks to a Genetic Mutation, These French Rabbits Prefer Handstands to Bunny Hops(3/31)
出典元:Odditycentral:Scientists Now Know Why These French Rabbits Do Handstands When Moving Fast(4/2)