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シベリアの永久凍土で採取された生物が復活、2万年の眠りから蘇る

シベリアの永久凍土で採取された生物が復活、2万年の眠りから蘇る
Twitter/Cell Press/Michael Plewka

シベリアの氷の中に冷凍保存されていた微細な多細胞生物が生き返ったという、驚くべき研究結果が発表された。

 

氷を解かしたところ生命を取り戻す

 

その研究を行ったのは、ロシアの「土壌科学物理化学生物学問題研究所」などの科学者たちだ。

 

彼らはロシアの北極圏にあるAlayeza川から、凍った状態の「ヒルガタワムシ(bdelloid rotifer)」を採取したという。

 

そして氷を解かしたところ、「ヒルガタワムシ」が無性で繁殖することができたそうだ。

 

しかも放射性炭素年代測定法で調べたところ、この「ヒルガタワムシ」は今から2万3960年から2万4485年前のものであることが判明した。つまり、その間冷凍生物として凍結状態で過ごしてきたことになる。

 

これまでの研究では、最大で10年まで凍った状態でも生き延びられるとされてきた。

 

世界中の淡水に生息する生物

 

「ヒルガタワムシ」はワムシの仲間で、特別な生物ではなく、世界中の淡水に生息しているという。

 

またこの生物は極限状態でも生き延びることができ、ニューヨーク・タイムズによれば、地球上で最も放射線に耐性がある生き物だという。

 

さらに「ヒルガタワムシ」は、低酸素や飢餓、強酸性、数年間の脱水状態でも耐えることができるそうだ。

 

またこれまでも、線虫や植物、コケなどの多細胞生物が数千年の眠りから目覚めたとする報告例もあるとか。

 

ただし研究者は、なぜ、このようなことが可能になったのか、さらなる研究が必要だとしている。

 

今回の研究は、6月7日に科学誌「Current Biology」において発表された。(了)

 

出典元:BBC:Bdelloid rotifer survives 24,000 years frozen in Siberia(6/7)

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