世界最大の二酸化炭素除去装置が稼動開始:アイスランド
アイスランドで、二酸化炭素を吸収する世界最大の装置が、先日稼動を開始した。
二酸化炭素を鉱物に変える
その巨大な装置の名前は「オルカ(Orca)」。これはアイスランド語で「エネルギー」を意味するという。
この装置は、輸送用コンテナのような2つの金属製の箱を組み合わせた4つのユニットで構成されており、空気中にある二酸化炭素を吸い込み、それを最終的には地下の岩の中に注入し、鉱物化させることができるそうだ。
このプラントを作ったのはスイスの企業「Climeworks」とアイスランドの企業「Carbfix」。これらの企業によれば、「オルカ」は大気中にある二酸化炭素を、毎年4000トンも吸収できるという。
The world's biggest direct air capture CO2 plant is now running in Iceland. Is this the moment when CO2 removals go from boutique to big scale? Read more about @Climeworks Orca project in Fix the Planet: https://t.co/jHpoIVNLIc pic.twitter.com/NziJQFLXbY
— Adam Vaughan (@adamvaughan_uk) September 9, 2021
Today our vision becomes reality.
With our Icelandic partners @Carbfix and ON Power, we launch #Orca, the world's first large-scale #DirectAirCapture and storage plant.
The launch will be live-streamed at 5pm CET / 3pm GMT / 11am EST via the link below: https://t.co/6oEAtK0ZlG pic.twitter.com/zOA5UNUshE— Climeworks (@Climeworks) September 8, 2021
ファンを使って空気を取り込む
米国環境保護庁は年間4000トンという量は、自動車約870台分の排出量に相当すると述べている。
「オルカ」はまず、ファンを使って二酸化炭素を吸い込み、それをフィルター素材のついた収集器へ送り込むという。
やがて二酸化炭素がフィルターに溜まると、収集器を閉じ、温度を上げてフィルター素材から二酸化酸素を放出。これにより高濃度のガスを回収することができるそうだ。
さらに二酸化炭素は水と混ぜ合わされ、深さ1000mにある玄武岩層に注入され、鉱物化されるとか。この時、二酸化炭素は、玄武岩層に含まれるカルシウムなどと化学反応を起こし、石灰石のような炭酸塩鉱物に変化すると考えられている。
二酸化炭素の回収・貯留の推進派は、この技術が気候変動対策の主要な道具になると考えているが、同時にこの技術はまだ非常に高価であり、大規模に運用するには数十年かかるだろうといった批判もある。(了)
出典元:The Guardian:World’s biggest machine capturing carbon from air turned on in Iceland(9/9)