1万2000年前には人類は喫煙をしていた?米の遺跡で、炭化したタバコの種を発見
アメリカで、タバコの葉の種が発見され、かなり以前から喫煙が行われていた可能性が出てきた。
炭化したタバコ葉の種
そのタバコの種を発見したのは、「Far Western人類学研究グループ」などの考古学者たちだ。
彼らはユタ州のグレート・ソルト・レーク砂漠にある、「ウィッシュボーン」の遺跡を調査。囲炉裏の跡から、炭化したタバコ葉の種、幅1mmのものを4つ発見したという。
種は小さすぎて年代測定ができなかったが、囲炉裏から採取した3つの炭素サンプルの年代から、石器時代の人類が約1万2300年前に火をつけたことがわかった。
このためネイティブ・アメリカンが、1万2300年前には、すでに喫煙していた可能性が高まったそうだ。
今まで最も古かったのは3300年前のパイプ
実は、これまでにもアラバマ州で古代のパイプが発見されており、それが最も古い喫煙の証拠とされてきた。
しかしそのパイプは3300年前のものとされているので、今回の発見によって、タバコが初めて使用された時期は、今まで考えられていたよりも約9000年古くなる可能性が出てきた。
グレート・ソルト・レーク砂漠は現在、乾燥した湖になっているが、昔は広大な湿地帯だったと見られ、1万2300年前にはここで、古代の狩猟採集民たちがキャンプをしていたと考えられている。
また遺跡からは古代の囲炉裏の他にも、アヒルの骨や石器、マンモスや象の血の跡がついた槍の穂先などが見つかっているという。
このことから、研究者らは古代の人間が、食事や道具を作りながら、タバコを吸っていたのではないか、と考えている。
タバコはアメリカ大陸に自生する植物で、15世紀末にヨーロッパ人がアメリカ大陸に到着した後、世界中で広く栽培され、拡散したと言われている。(了)
出典元:BBC:Humans used tobacco 12,300 years ago, new discovery suggests(10/12)
出典元:CNN:Humans were using tobacco at least 12,000 years ago(10/11)