MOLA

イギリスで、中石器時代のものと思われる、不思議な穴が25個も見つかった。

約8000年前に作られた大きな穴

その穴が発見されたのは、イングランド東部・ベッドフォードシャーにある町、ホートン・レジスだ。

この町のLinmere住宅開発地から、約8000年前に作られた穴が25個も見つかったという。

その穴は幅5メートル、深さ1.85メートルもあり、底には動物の骨などがあったそうだ。

ストーンヘンジよりも遥か昔

サウサンプトン大学のジョシュア・ポラード教授は、次のように語っている。

「狩猟採集民によって掘られた大きな謎めいた穴は、ストーンヘンジを含め、イギリスの他の場所にあることは知られています。しかしLinmereの穴は、広いエリアに及んでいることや、数の多さで際立っています」

この付近にある遺跡は2019年に初めて発見され、2021年にロンドン考古学博物館（MOLA）がさらなる発掘を進めてきたという。

イギリスの中石器時代は、紀元前1万年から紀元前4000年の間とされ、農耕が始まった時に終焉を迎えた。しかし、イギリスでは中石器時代の遺跡はほとんど発見されていない。

そのためこの遺跡は、イギリスの中石器時代のものとしては最大級とされている。

また今回の穴は、紀元前6000年頃のものと考えられているが、ストーンヘンジ（紀元前3000年頃）や、ギザの大ピラミッド（紀元前2500年頃）など、他の有名な古代遺跡よりもかなり古いそうだ。

穴を作った目的は？

専門家によると、これほど大きな穴を掘るのは、当時の遊牧民にとって困難な作業だったと考えられるという。

また穴が何に使われたかについては諸説あり、狩猟や食料の貯蔵に使われたのではないかという説もあるが、その形と大きさから可能性は低いそうだ。

霊的な意味合いもあったのではないかと推測されており、そのために特定の場所や水辺に掘られたのではないかと考えられている。

考古学者たちは研究所で、周囲の環境や動物の骨のサンプルを調査することで、この遺跡の目的を明らかにしたいと語っている。（了）

出典元：BBC：Mesolithic pits found on Houghton Regis building site(7/4)