夏は気温が2000度に!国際的な研究チームが新たな天体「TOI-3362 b」を発見
先日、新しい天体が発見され、非常に極端な気候であることが明らかにされた。
地球から200光年離れた惑星
その研究を行ったのは、アメリカのペンシルベニア州立大学が率いる、国際的な研究チームだ。
彼らは先日、「TOI-3362 b」と呼ばれる新しい天体を発見した。「TOI-3362 b」は地球から200光年離れている、ガス状の太陽系外惑星とされている。
そしてこの天体の気候は非常に極端で、夏は2000度(華氏か摂氏かは不明)を超え、冬でも500度になり、さらにアルミニウムの雨が降ると考えられている。
気温が極端な理由は公転の軌道
この惑星は木星の約5倍の質量があり、1年は約18日しかない。しかしなぜ、このように極端な気候をしているのだろうか?
研究チームに参加した南クイーンズランド大学(オーストラリア)の天文学者・George Zhou博士は、この星が楕円軌道で恒星の周りを公転しているからだとし、次のように説明している。
「それは、この惑星が非常に奇妙な軌道で恒星を周っているからです。夏には恒星に非常に接近し、冬には非常に遠くに行ってしまうのです。地球は非常に円い軌道を描いており、木星や土星のような巨大惑星も同様です。水星や冥王星のような太陽系内の楕円軌道の惑星は、一般的に今回の惑星ほど極端ではありません。今回の場合は、惑星が恒星に最も遠いところと比べ、約9倍も接近する楕円軌道を持っているのです」
大気にアルミニウムが含まれている
さらに夏と冬の極端な差は、惑星の大気中のアルミニウムを蒸発させ、夏には雲を形成し、冬には雨を降らせると考えられているそうだ。
Zhou博士は、来年打ち上げられるNASAの新しいジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、この惑星の大気研究のターゲットになるだろう、と述べている。
また博士によればこの星は、通常の太陽系の惑星とは似ても似つかない、「ホットジュピター」と呼ばれる惑星の起源を解明するのにも役立つという。(了)
出典元:ABC.net:Scientists confirm discovery of ‘blazingly hot’ planet, TOI-3362 b, with extreme seasons and rare orbit(10/15)
参考:PennState:Newly discovered gas giant moving closer to its star(10/12)