ペルーの古代都市から多数の人骨、エリート層の墓か?
考古学者らにより、ペルーにある遺跡から、数多くの人骨が発見された。
30歳以下の若い女性の人骨
その人骨が見つかったのは、ペルー北西部トルヒーリョ付近にある古代都市「Chan Chan」の遺跡だという。
考古学者らは、この遺跡で25体分の人骨を発掘。それらは10平方メートルの狭いスペースに埋められていたそうだ。
考古学者のSinthya Cueva氏によれば、遺骨のほとんどが若い女性のもので、皆若く、30歳を超えていなかったという。
考古学者らは、ここが集団墓地であり、エリート層が眠っている場所だったのではないか、と考えている。
#AndinaEnglish Skeletal remains of 25 people found at Chan Chan archaeological site https://t.co/r2fqgsY2DU pic.twitter.com/3vAOubru9r
— Agencia Andina (@Agencia_Andina) November 11, 2021
インカ帝国に征服される
古代都市「Chan Chan」は、かつてチムー帝国の首都だったとされ、この帝国は15世紀に繁栄を極めるも、その後インカ帝国によって征服されたという。
また「Chan Chan」の遺跡からは、王の宮殿跡や王墓も発見されており、それらはコロンブス以前のアメリカ大陸で最大の土の城壁によって囲まれている。
人間を生贄として神に捧げる
チムー帝国では、子供を含む人間を、生贄として神に捧げていたことでも知られているが、今回発見された遺骨には生贄の証拠や痕跡は見つかっていない。
実際に人骨の位置は、その人物が死んでまもなく埋葬されたことを示唆しており、遺体は座った状態で埋められ、最初に綿、次は植物性の布で幾層にも巻かれていたそうだ。
また他の骨が、後になってこの墓に移されたことが推測されることから、チムー族が大切な人の遺体を扱い、移動させていたことが分かるという。(了)
出典元:BBC:Chan Chan: Mass grave found in ancient Peruvian city(11/11)