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気候変動の影響か?アマゾンの鳥が小型化、翼も長く変化していた

気候変動の影響か?アマゾンの鳥が小型化、翼も長く変化していた
flickr_Jorge Obando Nature Photo

南米のアマゾンに生息する鳥たちの体が小さくなり、翼が長くなっているとする研究結果が発表された。

 

過去40年に渡る調査データを分析

 

この研究が行われたのは、ブラジルの街、マナウスの近くにある「アマゾン生物多様性センター」とされている。

 

この施設の研究者は、森林破壊や開発が生態系に与える影響を調べるため、1970年からこの管理エリアでアマゾンの鳥の調査を続けてきたという。

 

彼らは数世代に渡って、鳥を捕獲し、体重を測り、翼の長さを測定してきたそうだ。

 

そして今回、過去40年に渡る77種類の鳥のデータを分析。その結果、ほぼ全ての鳥(渡りを行わない鳥)の体が小さくなっていることが明らかになったという。

 

またそのうち3分の1の鳥の翼が長く変化していたことも判明した。

 

渡り鳥の研究でも同じ結果

 

実は、以前の複数の研究でも、鳥の体が小さくなっていることが示されていたという。

 

それらの研究の対象になっていたのは「渡り鳥」だったが、今回「渡りを行わない鳥」にも同じ結果がもたらされた。

 

「渡り鳥」の変化については、生息域の喪失や農薬、狩猟などさまざまな要因が考えられたが、今回「渡りを行わない鳥」についても同じ結果となったため、研究者らはこの形態的変化の原因が地球温暖化にあると考えている。

 

乾期・雨季ともに気温が上昇していた

 

調査が行われたエリアでは、1970年代以降、乾期で1.65℃、雨季で1.0℃気温が上昇しているという。

 

さらに雨季ではより多湿になり、乾期ではより乾燥するようになっているとか。

 

今回の調査を行ったカリフォルニア州の「Integral Ecology Research Center」のVitek Jirinec氏によれば、対象となった鳥は管理エリアの半径数キロに生息している鳥で、彼らのうちいくつかの種が、40年間で40%も体が小さくなっていたという。

 

今回の研究の筆頭著者であるVitek Jirinec氏は「気温や降水量の変化、あるいはその両方が今回の結果に影響を与えているのではないか」と述べている。

 

「バーグマンの法則」とは?

 

研究者らは、気候変動が鳥類の体格をどのように変化させるのかについて、150年前に提唱された「バーグマンの法則」を引き合いに出しているという。

 

これは近縁種の生物において、赤道に近いほど体が小さくなるというもので、体が大きいほど保温性が高いからだと考えられている。

 

Jirinec氏も論文の中において、アマゾンでも同じプロセスが働いている可能性があると述べている。(了)

 

出典元:The Guardian:Amazon birds shrink but grow longer wings in sign of global heating(11/12)

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