4回のワクチン接種でも「オミクロン株」の感染を防げない可能性:イスラエル研究
感染力が強いとされる新型コロナウイルスの「オミクロン株」。4回のワクチン接種でも、感染を防ぐにはあまり効果がない可能性があると、複数のメディアが伝えている。
まだ予備的な研究結果
イギリスの「フィナンシャル・タイムズ」は、イスラエルの病院での研究結果として、ファイザーの新型コロナワクチンを4回接種しても、「オミクロン株」の感染予防効果が十分には得られなかったと伝えている。
イスラエルの「Sheba医療センター」で働く医療従事者は4回目のワクチン接種を打っていたが、新型コロナに感染し続けてきたという。
その一方で、医療従事者の血液検査では、重要なカギとなる2種類の抗体が増えていることが確認されたそうだ。
ただしこの研究結果はまだ予備的なもので、公に発表されてはいない。
ワクチンで感染を防ぐのは難しい?
「Sheba医療センター」では、150人以上の医療従事者が4回目のワクチンを接種していたという。
またこの病院では、数千人の医療従事者が2020年12月からワクチン接種を受けてきたが、接種する前から血清検査を行っており、ワクチンの有効性を追跡し続けてきた。
しかし4回目のワクチン接種から2週間後、医療従事者に新型コロナの陽性反応が出たそうだ。
今回の研究を率いたGili Regev-Yochay教授は、オミクロン株からの感染を防ぐために必要な抗体のレベルを、ワクチンで誘導するには「おそらく高すぎる」と述べている。
全ての国民に4回接種はどうか?
Regev-Yochay教授によれば、4回目のワクチン接種は3回目よりも抗体レベルへの影響(jolt)が少ないという。一方、3回目の接種自体は、抗体の産生量と質において2回目よりも効果的であることが証明されたそうだ。その上でRegev-Yochay教授は次のように述べている。
「4回目のワクチン接種を脆弱な人々に許可するという決定はおそらく正しいし、少しは効果があるかもしれません。しかし、すべての国民に接種するという決定を支持するほどではありません」
また同病院の別の医療従事者のグループは、ファイザーのワクチンを最初に3回接種した後、4回目としてモデルナのワクチンを接種したが、その調査の予備結果も、同様に有望ではなかったそうだ。
「もし私たちがまだデルタ株やアルファ株のパンデミックにいたら、もっといい状態になっていたでしょう。しかし、オミクロン株は非常に感染力が強く、ワクチンに対する耐性も強いので、私たちは別の状態に置かれているのです」とRegev-Yochay教授は語っている。(了)
出典元:FINANCIAL TIMES:Fourth Pfizer jab ineffective in blocking Omicron, Israeli study shows(1/18)