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「T-Rex」は3つの種類に分けられる可能性、大腿骨や歯の構造が異なっていた

「T-Rex」は3つの種類に分けられる可能性、大腿骨や歯の構造が異なっていた
flickr_Peat Bakke

「ティラノサウルス・レックス(T-Rex)」が実は、3つのグループまたは種に再分類される必要性が唱えられている。

 

37体のティラノサウルスを分析

 

「T-Rex」は今から6800万年前から6600万年前に地球上に存在していた肉食恐竜で、ティラノサウルス属の中で、現在までに唯一認められている種とされている。

 

しかしアメリカの研究者、Gregory Paul氏らの研究グループが、37体のティラノサウルス標本の骨と歯の残骸を分析した結果、大腿骨やその他の骨、歯の構造などが標本によって異なることが明らかになった。

 

このため研究者らは、「T-Rex」を3つのグループまたは種に再分類する必要があるとする研究結果を発表した。

 

大腿骨に鮮明な違い

 

これまでの研究でも、ティラノサウルスの骨格には大腿骨に変異があることや、顎の前端両側に1本または2本の細い門歯があることが認められてきたという。

 

しかし今回の研究では、大腿骨が標本によって異なり、より頑丈な大腿骨もあれば、より優美(華奢)な大腿骨もあることが観察されたそうだ。

 

また成体の3分の2の大きさの「幼体」から頑丈な大腿骨が、また成体の大きさの標本から華奢な大腿骨が見つかったことから、大腿骨の違いは標本の成長とは関係ないことも示唆された。

 

さらに大腿骨の大きさと歯質の両方が残っている標本は12体しかなかったものの、やはり歯質も標本によって異なり、門歯が1本ある標本は、大腿骨が脆弱である場合が多いという相関があったという。

 

発見された地層の場所によって異なる

 

今回の標本のうち28体は北米の地層から発見されたもので、研究者らは地層の場所によって、ティラノサウルスの2つの新種の可能性を指摘している。

 

彼らはこの地層の下層と中層で見つかった標本を、「ティラノサウルス・インペラトル(オオトカゲの皇帝)」とし、より頑丈な大腿骨と通常2本の門歯が特徴だとしている。

 

一方、堆積物の上層や中層の標本は、大腿骨が細く、門歯が1本であることが特徴とされ、「ティラノサウルス・レギナ(タイラント・トカゲの女王)」と名付けた。

 

そして「ティラノサウルス・レックス」は、上層と中層の堆積物で確認され、大腿骨がより頑丈で、門歯が1本であることが特徴になっていたという。

 

また研究者らは、ティラノサウルスの大腿骨の変化は、標本の性別や年齢に関係ない可能性が高いことも発見したそうだ。(了)

 

出典元:Springer Nature:Tyrannosaurus remains hint at two possible species distinct from T. rex(3/1)

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