アメリカの先住民が描いた洞窟壁画、3Dモデルを構築して調査
アメリカのアラバマ州で、考古学者が数多くの洞窟壁画を発見し、その写真などが公開されている。
約1000年前に描かれた壁画
その洞窟とはアラバマ州にある「19番目の無名洞窟」。ここは1998年に初めて発見され、地下には5kmの地下道があるという。
今回、壁画の多くが、1つの大きな部屋で発見されたそうだ。その壁画は約1000年前に、初期のアメリカ先住民が描いたとされている。
先住民らは、洞窟の壁や天井に泥を塗り、長さ3メートルのガラガラヘビの絵や、冥界の精霊などを描いていたという。
3Dモデルを構築して調査
そもそもこの洞窟には、何百もの壁画があったが、今回研究者は何百ものデジタル画像を撮影し、仮想の3Dモデルを構築したという。
この方法を用いて、研究者たちは「グリフ」と呼ばれる、これまで知られていなかった5つの巨大洞窟壁画を発見したそうだ。
今回の研究論文の筆頭者であるテネシー大学人類学部のヤン・シメック氏は、次のように述べている。
「洞窟の天井は床に非常に近いです。つまり、天井に近いことで視野が制限されるのです。我々は、それらを見るために十分な距離をとることができなかったので、これらの非常に大きな画像を見ることはありませんでした」
しかし3Dモデルを構築することで、より大きな視点から壁画を見ることができたという。
今回発見されたグリフには菱形の模様があり、これはアメリカ南東部の先住民族が神聖視していた「ダイヤモンドバック・ガラガラヘビ(Crotalus atrox)」を描いている可能性があると、研究者は見ている。(了)
出典元:Livescience:Largest known cave art images in US by Indigenous Americans discovered in Alabama(5/4)