古代エジプトの墓に、10体のワニのミイラが埋葬されていた
以前、エジプトにある墓で、数多くのワニのミイラが発見され、今回その研究結果が発表された。
複数のミイラ化したワニを発見
その研究を行ったのは、スペインのJaén大学のエジプト学者、アレハンドロ・ヒメネス・セラーノ氏が率いる研究チームだ。
彼らは2018年、ナイル川西岸にあるQubbat al-Hawa遺跡で、ビザンチン時代のゴミ捨て場の下から7つの小さな人間の墓を見つけたという。
やがて、そのうちの1つの墓から、複数のミイラ化したワニを発見。今年の1月18日には、学術誌「PLOS ONE」において、その研究結果が発表された。
#sciencenews🐊Egyptian tomb with ten (!) #crocodile #mummies discovered by archeologists from @ujaen and studied by @RBINSmuseum‘s researchers. The crocodiles may have been used during rituals for the god Sobek, often depicted with a crocodile head https://t.co/tXCqFrwIVd pic.twitter.com/dZYwBHZmV2
— RBINSmuseum (@RBINSmuseum) January 18, 2023
非常に保存状態が良かった
発見されたミイラ化したワニは、合計10体。今から2500年以上前のものと考えられている。
10体のうち5体は頭部だけで、他の5体のうちの1体は体長7フィート(約2.1m)以上あり、ほぼ完全なもので、非常に保存状態が良かったそうだ。
ベルギー王立自然科学研究所の古生物学者で、この研究の共著者であるBea De Cupere氏は、次のように述べている。
「ほとんどの場合、私は断片や壊れたものを扱っています。墓の中に10体のワニがいると聞けば、それは特別なことです」
今まで発見されたのは幼体、若いワニ
もっとも、エジプトの古代の墓から、ワニのミイラが発見されるのは、これが初めてではない。
ただその多くは幼体か、若いワニとされ、今回発見されたのは、成長した大人のワニだったという。
またこのワニは、古代エジプトで崇拝されていた豊穣の神、「Sobek」を称える儀式で保存されたと考えられている。
ワニは何千年もの間、エジプト文化において重要な役割を担っており、神と結びついただけでなく、食料源でもあり、脂肪などの一部は、体の痛み、凝り、さらには禿げを治療する薬として使われたという。(了)
出典元:NYTimes:10 Mummified Crocodiles Emerge From an Egyptian Tomb(1/18)