ChatGPTは、意外にも医師より患者の心に寄り添っている?
対話型AIのChatGPTが、医師よりも患者に共感していると主張する意見が出ている。
フォーラムに寄せられた回答を評価
その研究を行ったのは、アメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校や、ペンシルベニア州にあるブリンマー大学(カレッジ)、メリーランド州にあるジョンズ・ホプキンス大学など有資格の医療専門家委員会だ。
彼らは、診断や診察の必要性に関する患者からの問い合わせなど、公開オンラインフォーラムに寄せられた約200種類の医療に関する質問への回答を評価したという。
その結果、ChatGPTからの回答は「医師の回答よりも好まれ、質と共感の両方で有意に高く評価された」そうだ。
共感的と答えた人は45%
医師からの回答の4分の1以上は、質が許容範囲以下と見なされたのに対し、ChatGPTからの回答で許容範囲以下とされたのは、わずか3%未満だったという。
またChatGPTからの回答の約半数(45%)が共感的(心に寄り添う)であるとされたのに対し、医師からの回答では共感的と答えた人は5%未満だったそうだ。
平均すると、ChatGPTは医師よりも回答の質が21%高く、共感性が41%高いという結果が得られた。
失明のリスクについて尋ねる例
この研究で提供された1つの例では、ある患者がSNSのフォーラムに、漂白剤を目に入れた場合の失明のリスクについて尋ねたそうだ。
するとChatGPTは、まず「怖い思いをさせてしまった」と謝罪。さらに7つ以上の文章を使い、失明の可能性はないと答え、アドバイスや励ましの言葉を伝えたという。
一方、ある医師の場合は、ただ「大丈夫そうですね」とだけ答え、毒物管理センターの電話番号を告げたそうだ。
その結果、これらの回答を評価したすべての臨床医が、ChatGPTの回答を好んだという。
ChatGPTからの回答はこの例のように、一般的に医師からの回答よりもはるかに長く、質や共感の認識に影響を与える可能性があることを専門家は指摘している。
ただしChatGPTは自ら、「医療診断や治療法を提供することはできず」「人間の医師の価値を完全に代替することはできない」と答えているそうだ。(了)
出典元:CNN:ChatGPT may have better bedside manner than some doctors, but it lacks some expertise(4/28)