イタリアの超巨大火山が480年ぶりに噴火する可能性、科学者が警告
イタリアで長い間眠りについていた火山が噴火する可能性があるとし、科学者が警告している。
南イタリア・ナポリ近郊の火山
その火山とは、南イタリアのナポリ近郊にある「カンピ・フレグレイ火山」だ。
この火山は1538年に噴火して以来、約485年間も眠りについているという。
しかし新たな研究が発表され、科学者は「地殻が弱くなり破裂しやすくなっており、噴火の可能性が高まっている」と警告している。
約50万人がカルデラの中で暮らす
ここでは150万人以上が、地下にある火山の複合体の上で暮らしており、約50万人が3万9000年前の大噴火の後に形成された、長さ11kmに及ぶカルデラの中に住んでいるという。
そして、もし「カンピ・フレグレイ」が過去最大の噴火を起こした場合、溶けた岩石と火山ガスが成層圏まで達し、高さ100フィート(33.5メートル)の津波が発生。
硫黄と有毒な灰の噴煙が広がり、地球は何年も冬の世界に突入して作物を枯らし、大量絶滅をもたらす可能性があるそうだ。
地殻に亀裂が入る可能性
今回の研究は、6月9日付で学術誌「Communications Earth & Environment」に発表された。
本研究の主執筆者であるユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのクリストファー・キルバーン教授(地球科学)は、声明で次のように述べている。
「今回の新しい研究により、カンピ・フレグレイが破裂に近づいていることが確認されました。しかし、これは噴火が保証されていることを意味するものではありません。破裂によって地殻に亀裂が入るかもしれませんが、噴火が起こるためには、マグマが適切な位置で押し上げられる必要があります」
スーパーボルケーノとは?
「カンピ・フレグレイ」とは、「燃える野原」「炎の野原」という意味で、この火山は一般的にスーパーボルケーノと考えられているが、まだ確証は得られていない。
スーパーボルケーノとは、火山爆発度指数8という最高レベルの噴火を起こし、その過程で1000立方キロメートル以上の物質を排出する火山のこと。
「カンピ・フレグレイ火山」の過去最大の噴火では、最大で285立方キロメートルの物質が放出され、指数7に分類されるほどの悲惨な状態を引き起こしたという。(了)
出典元:Livescience:Europe’s most dangerous ‘supervolcano’ could be creeping toward eruption, scientists warn(5/9)