NASAの探査ローバーにより、火星に多様な有機分子を発見
NASAの探査ローバー「パーサヴィアランス」が、火星で多様な形の有機分子を発見した。
10個のターゲットに有機分子の兆候
「パーサヴィアランス」は2021年2月に、居住可能性の高い古代の湖であるジェゼロ・クレーター内に着陸。
それ以来、科学者たちは探査ローバーに搭載された岩石を撮影・分析する一連のツールを使って、クレーターの底の地質学的構成を調査してきた。
そしてNASAのスナンダ・シャルマ(Sunanda Sharma)氏や、ライアン・ロッペル(Ryan Roppel)氏らは、ジェゼロ・クレーターの底の2つの地層の観測結果を分析。
その結果、10個のターゲットすべてに、有機分子のシグナル(兆候)が検出されたという。
One thing I’m #SamplingMars for is organic molecules, the “building blocks” of life. The rock I got these two samples from has signals suggesting they may be present. Signs of biology, or another process, maybe? Hear why scientists would love to study sample #6 or #7 up close: pic.twitter.com/cQheyDqybd
— NASA’s Perseverance Mars Rover (@NASAPersevere) July 12, 2023
他の方法で形成された可能性も
研究者たちは、この物質が “生物的 “起源、つまり火星での生命の結果であることを否定できないと述べている。
しかし、水と塵の相互作用や、塵や隕石によって火星に落とされたなど、他の方法で有機分子が形成された可能性もある。
この研究によれば、火星の有機物についてより深く理解することで、炭素源の利用可能性を明らかにすることができ、潜在的な生命の痕跡を探すことにつながるという。
惑星科学研究所の研究者で、新しい論文の共著者であるアシュリー・E・マーフィー氏は、次のように語っている。
「すべての有機物が生物起源というわけではありません。鉱物と有機物の空間的な関係を観察することは、有機物の起源や潜在的なバイオシグネチャー(生命存在指標)を評価する際に必要です。地球上の生命について我々が知っていることは、岩石・鉱物の記録に保存されているものに限られています。地球上では、バイオシグネチャーは特定の鉱物の中に見出され、ある鉱物は他の鉱物よりも有機物を保存するのに適しています」(了)
出典元:INDEPENDENT:‘Diverse organic matter’ found on Mars by Nasa rover(7/12)
出典元:METRO:Nasa Perseverance rover finds possible signs of alien life on Mars(7/12)