エジプトで発見された小型のクジラの化石、新種と判明
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EurekAlert/Hesham Sallam
以前、エジプトで発見されたクジラの化石の分析が進められ、小型クジラの新種であることが明らかにされた。
2012年にカイロの南西で化石を発見
そのクジラの化石は2012年、エジプトの首都・カイロの南西70マイル(約112km)にあるファユム窪地で、石灰岩の中から発見されたという。
この化石には約4100万年前の頭蓋骨、顎、歯、脊椎骨の断片が含まれており、その後古代エジプトのファラオ、ツタンカーメンにちなんで「Tutcetus rayanensis」と名付けられたそうだ。
そして今回、このクジラが、かつて存在していた小型のクジラ類「バシロサウルス」の新種であることが判明した。
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温暖化で体が小さく進化か?
「バシロサウルス」は、今から4300万年から3400万年に生息していた小型のクジラで、通常は全長約13フィート(約4m)から59フィート(約18m)とされている。
しかしこの「Tutcetus rayanensis」は、大人に近い年齢だったにも関わらず、全長が約1.5m、体重も約1.6kgしかなかったと推定されたという。
また「Tutcetus」の頭蓋骨も、他のバシロサウルス類と比べて約5倍も小さく、これまで発見された中で最小のバシロサウルス類だったそうだ。
研究者らは、「Tutcetus」の体が小さいのは、約4200万年前に起きた温暖化現象に対応して進化した可能性がある、と指摘している。
これまでの研究でも、動物が温暖な気候のもとで小さく進化する傾向があることが示唆されている。(了)
出典元:ABC News:Scientists discover new species of miniature ancient whale that lived about 41 million years ago(8/11)