ペルーで3000年前の墓を発見、宗教指導者のものである可能性
先日、南米のペルーで宗教的指導者のものと思われる墓が発見され、発掘調査がすすめられた。
日本とペルーの研究者との合同調査
この調査は、日本の国立民族学博物館、ペルー国立サン・マルコス大学の研究者により、共同で行われたという。
国立民族学博物館の発表によれば、合同調査団は、2022年8月25日、ペルー北部にある高地、パコパンパ考古遺跡複合内のカピーヤ遺跡において、直径約1m、深さ約1.5mの地下式墓を発見したという。
被葬者は1名で、性別は男性。年齢は20代後半から30代前半と判断され、紀元前1000 年頃の宗教的指導者と考えられている。
Archaeologists in northern Peru have unearthed a 3,000-year-old tomb that may have honoured an elite religious leader in the Andean country. The Pacopampa Archaeological Project has been working in the area since 2005, Peru’s Culture Ministry said#peru #excavation #archaeology pic.twitter.com/FzYNld65Q5
— CNBC-TV18 (@CNBCTV18News) August 28, 2023
頭部付近に円盤状の飾り
埋葬された人物は、右半身を上側に、屈葬状態で発見された。頭部付近には、珪孔雀石(未同定)と貝(未同定)からなる直径4~5cmほどの円盤が連なる飾りが認められ、膝から脛、さらには足首の足にも、同じ材質の飾りが見られたそうだ。
また被葬者の背中側には、遠くエクアドル沖で採れる希少な「ストロンブス貝(カブトソデガイ)」が、少なくとも9個置かれ、その一部には刻線で文様が描かれていたそうだ。
しかも主にこの「ストロンブス貝」を中心に、朱(硫化水銀)が撒かれていたという。
この墓は、同じ遺跡で同調査団が発見した「パコパンパの貴婦人の墓」(2009年)、「ヘビ・ジャガー神官の墓」(2015年)よりも200年~300年も前の墓であり、宗教的指導者が、かなり早くから誕生していたことを示しているそうだ。(了)
出典元:国立民族学博物館:パコパンパ遺跡における墓 (通称「プトゥート(巻き貝)神官の墓」)の発見(8/29)(PDF)
出典元:REUTERS:Archaeologists unearth 3,000-year-old priestly tomb in northern Peru(8/27)